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Metropolitan Opera「Parsifal」  



熱狂的に追いかけたくなるほど好き!な歌手がいるわけでも、この作品が好きで好きでたまらない、とても思い入れがある、わけでもないのに、たった1泊でも見に行きたいと思わせたワグナー「パルシファル」。

2月16日土曜朝7時から初日の生放送をラジオで聴いて、初めて全幕聴くし、内容は読んでもよくわからんし長いワグナーだったけど、まさにいまプライム、絶頂期にいる男声3名の歌声にしびれまくって興奮してそのまま弾丸計画を立て始めてしまいました
公演予定をみて、あ、土曜日のマチネがあるじゃな~い!、しかもHDの日、これならキャストのキャンセルもよほどのことがない限りないはず(HDはアメリカをはじめとする世界各国の映画館で生中継をする公演、日本は字幕の関係で3週間ほどあとです)。土曜なら休みも1日くらいでいけるのでは?と検索をはじめ、あれこれあれこれ悩んだり、やっぱりダメか、無理かと一旦は完全に諦めたり、もろもろしつつ最終的に決済したのは、まずチケット22日、そしてエア、ホテル、最後にもう一回チケットで、28日の朝すべての準備が終わりました。

もともと買っていたチケットは1階のかなり後方で、その時あった残り少ないチケットの中では一番ましだったのですが、せっかく、わざわざこのために行くのに、こんな席でみるなんてとんでもない!と負けず嫌いな性格に火がついて連日チェックし続けた結果、最終的にはほぼ希望の席が見つかりました♪。もちろん運もよかったんですけどね。この間もっといい席もあったんですけど決断できなくてグダグダ、、。そんな自分にがっかりしたり、、でも諦めなきゃチケットは手に入る!

で、もともと持っていたチケットは寄付しようかと思っていたんですが、開場前にチケット求む!の紙をもった人が何人もいたため一番高値を言ってくれた人にお譲りしました(それでも定価以下です!みんなわがままで、席番みていらないわ~なんて言う人もいましたよ 笑)。
でもただ寄付するよりは私の懐にも戻る分助かりました。このチケット代で今回の旅の現地費用がすべてまかなえたし(笑)。


いや~、いろんな意味で見に行って良かった!
12時から始まって終焉したのが18時近く。約6時間の長丁場、ロングフライトのあとでしたが、ちゃんと最後まで寝ずにみたし(自慢w)、素晴らしい歌唱や初めて聞く歌唱、私の理解を超えたワグナーの世界にどっぷり浸れてものすごい充実感です。
作品についてあれこれ語るだけの知識はなく、あくまでリブレットを数回読んだ程度の理解なので、読み変えの演出に迷子になることも多々あったんですが、これは面白い!

歌手陣の歌の素晴らしさは改めて言うまでもなく、それぞれの役への入り込み方がもう素晴らしい、凄いとしか言えない。その中でも一番良かったのはマッティでした。
美しく響く低音だけど、何とも言えない色気があるんです。痛みや悲しみや苦しみの歌声が効いていて一緒に苦しくなるほど、そんな中時々聴こえてくる大人の色っぽさのある声にドキっとします。とろける~というのとは少し違うのだけど、女性はきっとこういう、いつもいつもセクシーさを強調されるとひいても、あまりそうではない人がみせる何気ない色気にどきっつするような、そんな感覚です。足をひきずり身体を支えるのがやっと(マッティは背が高いので舞台映えします)という状態を全身全霊で演じ一音一音脳に響く見事な歌唱、息遣いやため息や、、、ああ、本当に素晴らしかったです。


そしてガッティンの指揮。ワグナーは、パルシファルはかくあるべき、ということがまったくわからない私なので、単に私の好みだったということなんですが、ものすごくスローだったり揺らしたりしながらも彼のなかにある「こう演奏する、こういう作品である」が見えるようで、想いが伝わってきて酔いしれました。
ただでさえ長いのに、弱音をゆっくりされるとそのままどこか違う世界に連れて行かれそうになるのですが、指揮をしながら気持ちが入って唸ったり歌ったり 笑、おかげでそこではっと我に返る、そんな感じもありました。
ダライマンの温かく柔らかい、母性を感じる歌もとても素晴らしかった、性的にどうの、、というと創造力を駆使する必要がありましたが。。。、。苦笑

初日のラジオのほうがずっとよかったな~という印象ではありますが、パーぺの深く落ち着いた様子も素晴らしかったです。オケに負けることがありちょっと、ええ?、とは思ったものの、深くてしぶくて静の中に熱みたいな。

そしてそして、タイトルロール パルシファルのカウフマン。やっと聴けました。イケメンテノールとして世界中の人気者、正直私のタイプでは全くないし(それどころか写真によっては気持ち悪いとさえ思ってします、、スミマセン!)、一番重要な声も明るい抜けるようなテノール声ではなく詰まったようなくぐもったような暗いバリトンボイスなので歌声にも全然魅力も感じません。
でも、顔の好みはともかく、世界中のオペラハウスでこれだけひっぱりだこで大人気なのは、何か理由があるはずです。実際に聴いてみないことにはなんとも、、と思っていたところ、このパルシファルはこれまでのカウフマンの中でも一番いい!という評判もあり楽しみにしていました。
3秒でとろけた人もいますし・・(笑)。

実際に聴いてみるとラジオやテレビで聴いていた印象よりずっと柔らかくて優しげな響きで、思ってた以上に声のサイズが小さいんですが、会場を包み込むような独特の響きがありました。人がよさそうできっと真面目なんだろうと思うけど、そんな性格もみえるようで、このパルシファルは1幕ではほげ~、おらしらね~、わかんね~と知的レベルが低いんですが、ずっと頭良さそうに見えてました。が、動きがとても美しく、手を伸ばす、開く、顔をむけるそんな仕草の1つ1つが美しく色気があるんですね。計算してモデルのようにみせようというような美しさではなく、役を表現する中で醸し出す美しさ。ああ、こういうところが人気あるのね、と何かその理由がわかった気がしました。2度ほど上半身裸になる場面がありましたが、これは世界中のヨナスファンへのサービスでしょう(笑)。とはいっても私はその様子にとろけもせず、ファンにもなりませんでしたが(^^ゞ。

演出はまったく色のない荒廃した場所で、バックに映像を映すことで様々な表現をしていたようですが、私の席からは映像が少し見切れたため、このあたりはよくわからず。シンプルで派手な動きは少ないので、じっくり歌を堪能するには向いているのかな?でも「花の乙女たち」と言われる魔法の園で、日本人女性風の、まるで貞子のような集団が長髪を血の海にたらしたまま髪をふりみだしてパルシファルを誘う様子などは見ていて気持ち悪い。ああ、なるほどね、と深く読み取れるベテランさんにはいいかもしれないですが、初鑑賞の私には敷居が高いです、こういう読み替えは。

ま、いずれにしても聖杯がどうの、神がどうの、という話は深すぎてこのあたりをきちんと理解しないと本当に作品を楽しむことは出来ないなぁ。
今回は、初パルシファルだから、その世界観の入り口からチラ見した、みたいな感じだけど、その先がとてつもなく面白そう、だったことが最大の収穫かもしれません








■2013.3.2 Metropolitan Opera Parsifal
12:00~17:45

Conductor: Daniele Gatti 
Production: Francois Girard
Kundry: Katarina Dalayman 
Parsifal: Jonas Kaufmann
Amfortas: Peter Mattei 
Klingsor: Evgeny Nikitin 
Gurnemanz: René Pape 
Titurel: Rúni Brattaberg 
A voice: Maria Zifchak 

Grand Tier Side box front

category: オペラ

tag: MET  ニューヨーク  NY 
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MET来日公演「ランメルモールのルチア」~本当に来てくれた!  

「やっぱり生の舞台は素晴らしい!」(感無量)

一言であらわすなら、これに尽きます。
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特にオペラやオーケストラ、ピアノなど電気を使わない、楽器そのものも、声そのものを体感するものは、どんなに映像がリアルで美しくなっても、音響のいい場所で聴いてもダメ、生に勝るものはありません。
それを改めて実感しました。

声楽に関して言えば、マイクを使うと本来の声とは違って聞こえることがあります。また歌手同志の持っている声質や声量のバランスをとるために調整されることも多く、そうなると、本当はどう聞こえる?どうなってる?がゴマかされてわかりにくくなることもあります。そして本来の実力以上に過大評価されたりそのまた逆もしかり。

人間の声ってマイクなんか使わなくても、本当に素晴らしい。特に訓練され磨かれ、そして大きな舞台を数多く経験して、批評され、絶賛されてきた人たちのものはもう、もう、本当に・・・言葉がみつかりません。

もちろん声そのものの好き嫌い、歌い方の好き嫌い、容姿の良し悪し^^;など、どうしようもない個人的好みの問題はありますけどね (笑)

今週に入り、ダムラウが本当に来日した!と聞き、月曜日にゲネプロがあり素晴らしい歌唱だったと聞き、、、、この日をとても楽しみにしていました。近年まれにみる華やいだ気分です。
朝から眉を描く手にも力が入るってもんで・・(笑)。
定時にしっかり退社し、ごちゃごちゃ持っていた荷物を預け、ドレスアップこそしていないけれど、自分なりにオペラ仕様に着替え、ピンヒールを履いたら観る前から気分が大盛り上がり♪。
こういう時間を持てるというのはなんと贅沢で幸せなんだろう、、こういうために日ごろ働いているのだ、働いているおかげだ、、と当たり前の毎日の上に成り立つことに感謝までできる心境に 笑。
すべてが好循環です♪

今日は2F L1列目。舞台を見る分には少し角度はありますが、死角になる部分はありません。オケピの中までしっかり覗けて、舞台上の奥まできちんと見える、音や声は上に上がりますからちょうどよく聴こえる、個人的には好きな位置をラッキーにも入手できました。私の周りはセンター付近に行くほど人はいますが、舞台に近くなるほど空席多しでした。もったいない。
暗転してすぐに少しでもセンター付近に、と席を移動をし、より条件をよくして開演を待ちます。

冒頭ゲルブ氏の挨拶があり、
MET公演をするにあたって、キャンセルが直前まであり苦労したが、自信を持っておすすめできる人選ができたこと、ダムラウはママとナニー、もちろん生後8カ月のベビーも一緒に来日したこと、この日一日だけのキャスト、ヴィラゾンは滞在4日の日程で来日し、この日のギャラ全額を震災のために寄付するという旨のコメントがありました。

今日の観客は、冒頭少しだけ携帯がなったりざわついたりが一部(私のすぐ後ろの席で)ありましたが、それを除けば全員がものすごい集中力で聞いていました。普通のクラシック系コンサートでも基本静かですが、それでも楽章間にわざと?それとも、「咳をすること」というルールがあるのかと思うほど大げさにせき込んだり大きな音をたてたりするのですが、そういった咳すらもなし。
もしや、みんな息をしてないんじゃ・・と思うほどで、それは上演中だけでなく、セット転換のような時も同様ででした。話し声もなく、微動だに動かない、、静まり返っています。とはいえ、素晴らしい歌唱には会場の上から降ってくるような細かな拍手(てんぷらを適温で揚げているようでもあり^^;)やBrava,Bravoの声、オケのみなさんも観客のそれに合わせるように多くの人が舞台を見上げてしばし拍手をしていたり。
ああ、みんなが待っていた、本当に来てくれた、本当に観ている、なんて素晴しい、そんな同じ気持ちを共有している仲間のような一体感。こういう中で聴けているんだな~としみじみ感激しました。

3年前の私なら、有名な狂乱の場以外は退屈するかも、もしかしたら寝ちゃうかも、、なんて心配もあったのですが、今回は全くそんなことはなし。退屈するどころか、眠くなるどころか、私自身もものすごい集中力で聞いていました。もうあっという間に終わってしまった感じ。
気づけば字幕もほとんど見ていなかった気がします。そのくらい耳も目も舞台上、オケに集中しました。


最初から最後まで、都度、細かな部分も含めていろいろ思ったり感じる分は当然ありますが、総評とすれば、
来てよかった、見てよかった、聞いてよかった。素晴らしい公演だったとしかいいようがありません。

同じメンバーであと3公演くらいあったらどんな素晴らしい公演になるのかな、なんてことも思いつつ。

今回の主役コンビ、ダムラウとヴィラゾンは世界中ではもうとっくの昔に大人気スター歌手ですが、日本では2人ともこの日がデビュー。これからまだまだ活躍するであろう2人の公演を見られて幸せな時間でした。
サインももらって♪ルン!
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やっぱり生の舞台は素晴らしい、、、

と、チケット追加。。


■メトロポリタン・オペラ2011 来日公演「ランメルモールのルチア」
指揮: ジャナンドレア・ノセダ
演出: メアリー・ジンマーマン
出演者:ルチア:ディアナ・ダムラウ
エドガルド:ロランド・ヴィラゾン
エンリーコ:ジェリコ・ルチッチ
ライモンド:イルダール・アブドラザコフ
アルトゥーロ:マシュー・プレンク
アリーザ:テオドラ・ハンスローヴェ

■2011年6月9日(木)18:30開演~21:45頃終演
 1幕:18:30-19:10(休憩25分)
 2幕:19:35-20:15(休憩25分)
 3幕:20:40-21:45
■東京文化会館
■2F-L1列

(おまけ)
ダムラウの8か月のBaby. ママそっくりで瞳がブルー、まつげがクルン。なんてかわいい~
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抱っこしてるのは、この日一日だけ登場したMR.ビーンことw、ロランド・ヴィラゾン。
すごい立派な眉毛・・。どんなに気合いれて描いてもここまでは・・笑。

category: オペラ

tag: MET 
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大満足!  

元旦は「ばらの騎士」。
先のエントリーにも書いたとおり初めて生の舞台をみた記念すべきオペラです。
観たというだけの記憶ですけど、今回カルメンに引き続き大感激していろいろ調べてみたら、この作品の初演劇場がなんとドレスデンのゼンパーオーパーだったということを知り、あれ、私の初の場所だよ~と、寝てた記憶だけの癖にすごい縁を感じて嬉しくなる 笑。

シュトラウスは元旦にはぴったりですね。音楽は華やかで美しいし、ウィーンが舞台というだけで正月らしい(勝手に 笑)。この日の席はオーケストラセンターブロックのやや右寄りG列。ちょっと、いや、この席に関してはびっくり事件がおこったので(詳細はまた・・)、普通ならその印象が強すぎて舞台のことが霞みがちだけど、両方とも鮮明に覚えています。なんせオペラ観て、聴いて泣くなんて・・こんな経験は初ですよ!
まさかそこまで感動するとは想定外。自分で自分にびっくりでした。
今シーズンのプログラムの中ではメディアもマニアックなファンの方にもこのばらの騎士は抜群に評価が高いそうです。
でもこの「ばら」は超初心者向けではないと言われる作品で、ある一定の年齢以上の人たちを泣かせることでも有名らしいんですが、それもこれも今回初めて知りました。そんなこと気にしたことなかったし。

別に特別難しい内容でもないけれど、言われてみれば、世間一般に広く知られているようなアリアや序曲があるわけじゃなし、うん、確かにそうなのかもね。

大晦日の雰囲気とは一転。カジュアルMETで、この日私はいつもの(というか、毎年着てる 汗)白いジャケットに黒のロングスカート。これで十分です。
席についてプレイビルを開いてびっくり。
この日の開演時刻は19時半、終了時刻が23時55分と書いてある。
長っ・・・。4時間半もあるのかー(休憩2回)、と一瞬眩暈がしたけど、終わってみれば全く問題なし。長さが全然苦になりませんでした。それだけ楽しかったし充実してたんですね。

昔ながらの演出をいじっていないというこの「ばら」ですが、衣装もセットもなんともゴージャスそのもの。
そして出演しているのは、ソプラノの大スター、レネ・フレミングとこのオクタヴィアンをMETで10年も続けているという当たり役のスーザングラアム、若いゾフィーにシーファー(プレイビルの写真が久本雅美みたい・・)、ゾフィーのお父さんにサー・トーマスアレン、オックス男爵にジークムントソン、そして指揮はエド・デ・ヴァールト 倒れそうだけど、大丈夫?のおじいさん、、に見えました 笑。

で、何に涙したか。
ずばり、女心に、です 笑。
 
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一幕、華やかな宮廷でダンナのいない間に若い17歳の青年との情事を自由気ままに楽しむところから始まり、宝石を眺めたり化粧をしたりと自分の美貌にも満足していたのに、ふと身支度を整えて鏡に映った自分の姿をみて「ずいぶんお婆さんの髪型にしてくれたのねー」といいつつ、自分の老いをそこにみて、突然青年との年齢の違いやそう遠くない時期に自分から離れていくだろうことを予感したり、若い女性と一緒になるほうが幸せだから、と別れを決意したり・・・。
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そして2幕、愛人だった青年がおつかいにいった先で若い女性に一目ぼれ。ドタバタいろいろあったあげくに(省略しすぎだ、笑)、
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3幕、若いふたりはお互いの愛を確信し、夫人はふたりの幸せを願って、毅然と身を引く・・。

と書くとあっさり、なんで?それで?よくある話じゃん。なんだけど 笑、その揺れ動く女心がね~、よくわかるですよ! 
ある時ふと、自分の年齢を実感する瞬間とか、ふと近づいている日を予感して憂いたり・・。
その感情の浮き沈みやら、女心の揺れ動きを実に見事に伯爵夫人を歌い演じたフレミングに吸い込まれっぱなしでした。1幕最初のイチャイチャしているうちは、う~~ん、って感じだったし、フレミングってこういう歌い方するんだ!とちょっと思っていたのと違うななんて思っていたけど、お婆さんに・・あたりからグイってな感じで。
とっても優しい美声でヘンな癖がない歌い方なので、古典的なセットや雰囲気にぴったり。

3幕最後、久しぶりに登場したフレミングの一段と落ち着き払った大人の女性ぶりと、3人の女性がそれぞれの気持ちを歌いあげる三重唱は鳥肌立ちっぱなし。英語の字幕をちら見しつつ、3人分の気持ちがどどーんと迫ってきてもう自然と涙がポロポロとこぼれてきました。オペラは芝居だった・・。

17歳の青年オクタヴィアンは長身で見るからに健康そうなスーザングラハム。最初から最後まででずっぱり、歌いっぱなしの大変な役どころで実年齢は50歳とか!?ひ~~~、全然そんな風には見えません(アップ映像はみちゃダメ 笑)。身のこなしも軽いし、声は若いし美しい。宝塚の男役ほど男を作っていないのでかえって自然です。
この役は彼女の持ち役の中でも当たり役とのことですが、わかります、とっても! ベルベットのようなやわらかい声で、艶やかではないけど濁りのない美しい声。途中女性に変身したり男性になったり、本当に大変そうな役どころですがコメディセンスもあるようで、うまい具合に笑わせてくれます。

夫人のフレミングとは同期で親友らしく・・(ということは彼女も50歳!?ひ~~~)、よくよく見るとその二人が32歳と17歳の設定には無理があるだろうーなんだけど、客席からみて、まーなんとかそう見えればOKです。別に本物の17歳じゃなくたっていいんだからね。

一目ぼれする女性ゾフィーは、プレイビルみると、うーんだけど、舞台に登場した時にはなんとも可憐な身のこなしで芯のある真面目で若々しいお嬢様な雰囲気を醸し出していました。二人の大ベテランに比べたらそりゃ~かわいそうですが、少女らしい透通るクリスタルガラスのようなソプラノ。声が細くて消えてしまうこともあったけど、ガサツに扱ったら壊れてしまいそうな美声に酔いしれました。

それに引き替えこのゾフィと婚約する男爵が・・。
男爵単体でみればガサツで下品でイヤらしさギリギリの雰囲気がとってもユニークで、いい味だしてたけど、いかにも年寄りすぎ、見た目が^^;;。最初のうちは婚約者が、とか、結婚がどーのこーのと歌っていても、誰と誰が結婚するの?この人の娘が結婚するんだよね?オクタヴィアンと?みたいな勘違いをしちゃうほど。
おじいさんだよ、どうみても。本人が結婚すると判明した時には、ひとりひっくり返りそうな衝撃 笑。いくら実年齢は関係ないといってもね~、もうちょっと釣り合いの取れる人でお願いしたい!

が、ま~そんなことはともかく、音楽の美しさ、視覚的な美しさに女心にこの作品の素晴らしさを存分に堪能しました。カルメンもばらも、歌手というだけじゃなく、役者としても通用する芝居心のある人たちだらけ、また見た目も美しい(男女とも)から、オペラをちゃんと物語として楽しめたんです。もっと観たい、ちゃんと勉強しようって思えたし♪
寝ないでちゃんと観られるかな~なんて心配して、夕方1時間半ほど仮眠をとって出かけたのもよかったか、笑。寝ないどころかホントに素晴らしかった。
ん!?ってことは、ある一定以上の年齢層になり、女心がわかる大人になったってことか・・笑。

2夜連続で、オペラは芝居だった・・と思ったところで、ミュージカルとオペラの違いは??
マイクを通すか通さないか、フルオーケストラかそうじゃないか。発声法が違うとか?
よくわからなくなりました。

オペラは高い!けど、カルメンで250ドル、ばらで200ドル(どちらも定価、手数料込で1Fオーケストラのほぼセンター もちろんもっと安い席もあり)で観られることを思えば、円高の今、ミュージカルとはそう変わらないし、時間が長い、その他もろもろ考えたら安いとも言えます。あ、ミュージカルでもプレミアムチケットは300ドル以上するもんね~(オーケストラ中央部あたり。日本で見る来日公演はこの値段設定がないか、あっても豆粒だと思うけど・・。

ちなみにライブビューイング(いわゆる映画)なら日本語字幕で3500円なので、映画にしたら高いけど気軽に楽しめます。今週金曜まではカルメンやってますから興味のある方はぜひ♪

・・と、さんざん褒めてますが、11月にMETで観たアイーダはね~~苦笑。
私が当初思っていた、ドカンとした人たちが朗々と歌う様相で、でもオケに負けて声が聞こえない・・みたいな。
だからいろいろなんでしょうね~~やっぱり。

この年末年始の2作品は私にとって大当たりだった!ということですね♪

category: 2009/2010

tag: オペラ  MET 
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ブラボー!!  

初めてMETオペラをみたのが2007年の「魔笛」。以降、「仮面舞踏会」「ラ・ボーエム」「アイーダ」と有名どころばかりを観てきて、5回目の今回はさらに有名な「カルメン」、そして6回目が「ばらの騎士」となりました。

「ばらの騎士(リヒャルト・シュトラウス)」は私が初めて生のオペラを観た作品で、1999年にドレスデンに行った時、この素敵な歌劇場で絶対に何か見なければ!と強烈に思い当日券を買ってみたのだけど、なんせ初めてだから、ゴージャスすぎるその劇場と雰囲気に完全に飲み込まれ、さらにドイツ語わからない・・。最初のうちこそ興味津津で見ていたものの、当然のごとくそのまま気持ちよーくなり、一幕後半はほぼ睡眠時間に・・汗、2幕は記憶なし・・大汗、3幕はようやく、時々ウツラウツラする程度だった、というしょうもない過去があります。
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「カルメン(ビゼー)」のほうは、日本で2度ほど観ています。こちらはさすがによく知っているし、なじみ深いのもあって・・・でも1幕前半はやっぱり睡眠時間・・滝汗になった記憶があります。でもオペラ鑑賞の中ではちゃんと見てたほうかも・・って自慢にもなりませんが 笑。

過去4回みたMETオペラの中で一番感動して、印象深いのは「仮面舞踏会」。これは瞬間やばい時間はあったものの、ちゃんと見切りました!これも自慢にもなりませんが・・笑。
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今回の「カルメン」は新演出の初日、大晦日のガラ公演、さらには、人気急上昇のガランチャ、ベテランのフリットリ、が出演するとあってチケットは完売状態。11月中旬に会員さんの放出席が大量にでたけれど、なかなか入手困難でした。
「プリミア ガラ」。
どんな雰囲気なのか、それを想像するだけでワクワク。私はこの日に合わせて日本人は着物だよね~と意気込んで準備していたけれど、結局悪天候予報のため出発前に中止決定(涙)。当日昼過ぎまで雪が降り、それなりに積ったことを考えればこの中止は正解だったけど(帰りは雨が降ってたし)、とても残念。
だって、劇場内は私の知る限り、「こんな雰囲気みたことなーい!!」ゴージャスそのものだったから。
ドレスの品評会かと思うほど、テレビや映画の世界でしか知らない、けれど、オペラと聞けばおそらく多くの人が想像する光景がそこにはありました。
過去METオペラに行ってある程度の雰囲気は知ってるつもりだったけど、どちらかというとカジュアルOKなMETがこの日ばかりはさすがに違います。
やっぱり着物が本当なら正解でしょう~。

上の席はわかりませんが、私が目にした範囲では、セーターやビジネススーツのような人は全く見えません。年齢層はやや高め。そりゃそーですね。こういう雰囲気を十分堪能するには、それなりの経験と熟と資金が必要ですからね~。女性はロングドレス、男性はタキシードかそれに準ずるもの、特に男性のおしゃれさが際立って見えました。
女性はね、いろんなデザインや色のものを選べるからおしゃれに決まっているけれど、タキシードでそれほど・・と思ったら大間違い。一人で目をまん丸くして興奮。まだまだ世間知らずの私です。
十分すぎるほど歳はとったけど、こういう中にいるとまるで子供。着物を諦めた私は、結局20代前半のころ丸井の30回払いか何かで買ったベルベットのくるぶし丈のワンピースにし(着れてよかったな~)、よくみればそれなりだけど、地味~なものとなりました。それでもいつもみたいに、中にセーター、ジャケットとロングスカートでごまかす、みたいな恰好じゃなくてホントによかった~~と、会場についた瞬間に思ったもんです。

1日にはいつものMETに戻り、かなりラフな、セーターやパンツ、ノータイの人だらけだったので(オーケストラセンターでも)、見に行く時のプログラムや初日などの特別な日はそれなりに考えていったほうがよさそうです。TPOってやつですね。

そんなこんなで始まる前から大興奮状態で、さらには両隣の素敵なカップルや後ろの席の若いお嬢様のおしりが見えそうなほど背中のあいたドレスにドキドキするばかり 笑。もーどうしましょーなオヤジ状態 笑。

オーケストラ(1F)ステージに向かって右よりの席がこの特別な日の私の席。

ステージには真っ黒で中央に赤い稲妻のようなラインの入った緞帳が降りています。この新演出の演出家はミュージカルの演出をしたこともあるというリチャードエア、この印象的なデザインは、カルメンの衣装(プレイビル参照)にも使われ象徴的なものでした。
指揮者の若い~ヤニックセグインが登場して、いよいよ開演です。演出家、振り付け、指揮者、そしてガランチャのカルメン、MET初日とあってカメラマンも大勢、華やか、興奮、緊張な劇場内でした。

聞きなれた序曲が始まった瞬間、興奮していた気分が一転、ありゃ??
初日の興奮?METデビューで気合入りまくり?緊張しすぎでインテンポなのか、相当突っ走ってる、とういか、突っ込んでる感があって、「うわっ、はや@@」とびっくりしてたら、壁際にあったスピーカーから聞こえる音とオーケストラの生音が微妙~~にずれていて気持ちが悪い 泣。
そもそも速いから、ガチャガチャしてる。そして決め打ち的に入る「ジャン、ジャン♪」というシンバルの音が2回ずつ聞こえてくるから右左と音が4回ずつ流れてぐわ~~~~ん。目が、目が回る~~~@@
結局序曲が終わるまでこの違和感にクラクラしっぱなし、慣れてきたのは1幕も途中、ミカエラが登場してきたあたりからです。
びっくりしたよ~、ホントに。

でも生音とスピーカー音のバランスに慣れてきたら、かえってこの速くて勢いのある演奏が心地よくなってきて、若いガランチャのカルメンや想定されている1800年代から1900年代に時代設定をより現代に変えた新演出に自然になじんでいるように思えたので良かったのかも。
聞きなれていたCDとはだいぶ違うけど、これがナマの良さですね。

有名な序曲が終わると(3幕にもあり)、ダンサー(元ロイヤルバレエのファースト&現NYシティバレエのプリンシパル)がストーリーを暗示するようなダンスから始まります。

全4幕 インターミッション1回で3時間30分。各幕終了ごとにカーテンコールのごとくメインキャストが緞帳前に挨拶にでてきて拍手喝采をあびていました。

オペラって素晴らしい!!!!!!!!!
と、初めてその素晴らしさと楽しさがわかった!と思えるほど、大感激、大感動。
今までは劇場の雰囲気、ゴージャスさ、音楽の良さにひかれて、なんとなく聴いていた、観ていた、そしてそれなりに満足していたけど、今回は全く感覚の違う感動、今までの私はなんだったんだ 大汗??

たぶん出演者が「新演出初日」で気合が入ってたこと、演出が私にとってわかりやすかったこと、そして何より出演者が歌での表現力は当然のことながら、完全に役に入り込んでいて、役者だったこと!大熱演!!

そっかー、オペラも芝居なんだ・・。

だからオペラを聴く、観る、両方の奥深さと楽しさに気づいたんでしょう。
演出家がミュージカルや映画の演出も手がけたリチャードエアだったおかげかな?

私の中にあったオペラは、マイクを使わずに劇場のすみずみまで声を届けるためには、ドカンとした体型で、じっとその場に立ち尽くして歌う、ちょっと動く、そう、歌に重点が置かれすぎていて、芝居ではなく、動きは振り付け程度。
もちろんその歌声だけで感情表現をするわけだから、相当力量がないと、ただ歌の上手い人のリサイタルになってしまう。たぶんそういう印象だったから、セットのゴージャスさや声量や雰囲気で満足してたし、表現力豊かな歌手に出会うと感激してたけど、リサイタル状態になるとストーリー無視状態になるから睡魔に襲われるんだなーと。

そんなことに今更気づいた(恥)。

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ミカエラのフリットリは、えっ!?これがフリットリ??と思うほど、田舎くさいおばさん風衣装と所作で登場。でもこの素朴だけど芯に秘めた強さが見え隠れするような雰囲気がとっても新鮮。包容力のあるソプラノで、ホセの母をもイメージさせ素晴らしかったです。
ドンホセのロベルトアラーニャはこの役のベテランなんですね。完全に入り込んでて、ものすごーーい気合い入りまくりの熱演&熱唱に観てる私まで汗がでそう 笑。時々、役所広司のようにみえたな。いい声してます!が、ちと荒れてる感じがしたのは風邪気味だったという噂だったから?。この人の熱演ぶりにハラハラドキドキさせられっぱなし。アラーニャなくしてはこの作品は語れませんね。調べてみたらいいろんな面白い記事を発見したけどね 笑。
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オペラ歌手って・・のイメージを完全に崩してくれたダンスシーン。カルメンと友人ふたりの酒場でのダンスシーン。もうこんなに踊られちゃったらどーすんの?相当苦労してゼロからレッスンしたらしいですが、美声を全く揺らすことなく歌って踊って、馬乗りになって歌い、馬乗りされながら歌ったり 笑、飛び蹴りしたり、階段から落ちたり、仰向けに抱きかかえられたまま歌ったり、、色気だけじゃない、男勝りなカルメンもまた素敵です。
こんなに気合の入ったダンスと芝居との熱演だけど、歌い方はどちらかというとさっぱりめ。でもいいんですよ、それが。初めて観て聴いたウワサのガランチャ、素晴らしかったです。美人だし。
全編通して衣装がとってもセクシーだったので、激しく動くたびにガランチャのおっぱい見えそうでハラハラ・・笑。あ、こういう所も男性に人気なのかも♪
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ホセに殺される直前。どんなに復縁を迫られても毅然としてNO!と言い続けます。そして殺して!と。
ホセは単なる往生際の悪いストーカー状態だけど、YESと言ってくれれば殺さなくてすむのに、復縁というより殺すのを止めて!と言っているようで鬼気せまり過ぎて怖い。でも、またカルメンがつれない。
ホセにもらった指輪を「こんなもん、返してやるわ!ふんっ!」といった雰囲気で、もう未練全くなし状態で、指から抜き取ってポロンと目の前に落とすんです。
きゃーー、怖い、、怖すぎる~~。こんなことされたら逆上するよねー普通。
ってことで、この行為に逆上して、ナイフでブスリと・・。

最後は刺し殺したカルメンを抱きかかえて、この指輪を指にはめなおして泣き叫んで・・その後ろでエスカミーリョ(どうもお笑い芸人にしか見えなくて笑っちゃったんだけど)が牛を刺殺して・・・幕です(涙)。
はあ、はあ。

激しい・・。

当然のごとく嵐のような拍手とブラボー!!!の絶叫。
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1年の最後に素晴らしい締めくくりができました♪ オペラ素人の私はブレブレ写真で大満足 笑。

category: 2009/2010

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