凛・華・麗・美・優 ホーム » 音楽 »神はやっぱり神だった

神はやっぱり神だった  

みさんじゃないけど、近頃よく思い出したり考えたりする昔のこと(^_^;)
別邸に行くと学生時代の日記帳や授業で使ったノート、もちろん文集なども全部あって、それをたまーに眺めてみると単に懐かしい~を通り越して、いいことも悪いことも恥ずかしいことも全部ひっくるめて大事な思い出だなー愛しいなーと思ってしまうこの頃。

今年GWにバッハを聴いたのがスイッチになったみたいで、ある意味自分の人生の選択が大きく変わった人をライブで聴きにいってみた。

高校3年の夏で完全にやめてしまったピアノだけど、辞めた理由は「自分の才能のなさ」を実感したから。人生に「もし」なんてことはないけれど、「もし」中学生のとき転校していなければ、たぶん音大付属高校にいって、そのまま音大にいって、瞬間的にはピアノに関わる仕事をしてたんだろうな~と思うし(ん~今と変わらないかもしれないけど)、「もし」あのコンサートに行かなければ、そのまま続けてたかもな~とか、「もし」あのレコードを聴かなければ・・とか、そんなことをふと考えたりする。

中学2年のとき、ピアノの先生に誘われるまま見に行ったコンサートで、まさに「ガツン」と大きな石が頭に落ちたような、背中に電流が走ったような・・とにかくものすごーーーい衝撃を受けてしばらくは熱にうなされた、なんてかわいい、純粋なころのこと(^^)。
高校にはいって、音楽の先生から「聴いてみる?」といわれて借りた1枚のレコード(当然アナログ盤)に針を落とした瞬間の緊張と中学生の頃と同じようにものすごーーーい衝撃で震えが止まらなくなった・・・で、その後、擦り切れるほど何百回、何千回(・・は、大げさか)も聴いて練習しまくってた、まだまだかわいくて純粋だったころ(笑)。
高校2年の秋、音大の道がぼやけつつもそっちに道があるのかな~なんて迷いながら出た小さなコンクールで打ちのめされたときのこと。
あれ、思い出しながら打ってたらドキドキしてきた(笑)

私にとっては当時まさに「神」のような存在で、普通に考えれば追いつけるわけもなく追い越せるわけもない人なのに、衝撃が大きすぎて名前を聞くだけで緊張していた人。

やめて以来、無意識に一切を封印していたけれど、ふと20年以上ぶりに行ってみようと思えたので緊張しながら行ってみたのだ。

66歳になった神は、容貌は当然年月を感じさせるものがあったけど、舞台に姿が見えた瞬間、懐かしいというか、自分の学生時代の気持ちが甦ったというか、硬く閉ざしていたものが一気に流れ出したというか・・演奏が始まる前なのに勝手に涙が溢れてきて困った(^_^;)。
最初の1音が聞こえてからはもうほとんど覚えてない・・です。アドレナリンがですぎたか・・。
脳がトロトロに溶けたんじゃないかと思ってしまうほどで、オールショパンプログラムにまたも打ちのめされてしまう。何度呼吸困難になりそうだったか・・(笑)。今思い出せることは、当時の印象と全く違わず緊張して聴いていたということだけ。
は~あ。

最年少でショパンコンクールで優勝して、評論家的表現だと、天才肌、圧倒的なテクニック、でも技巧派で硬い、表現が一辺倒などと若い頃は言われるけれど、そうだったのかもしれないけど、世の中を知らない純粋な田舎の中学生だった私にはそんな一般論は関係なくて、聞こえてくる音のキラメキが眩しすぎた。
今は十分ベテランになって技巧は衰えてくるころだけど、表現に深みが加わった、落ち着いた、でもひびが入ってきた、なんていわれている。そうなんだろうな、と思う。
けれど、私には今でも十分「神」であって、またピアノを弾いてみようとは思えないほど打ちのめされた。
それでも、久し振りにCDを聞いたり、Youtubeの映像を探したりして、神の音をこの1ヶ月聴いていたんだから、私も少しは成長したのかなー。
ショパンの映像がなくて残念なんだけど。

■マウリツィオ・ポリーニ
5月15日 サントリーホール
前奏曲 嬰ハ短調 op.45
バラード第2番 ヘ長調 op.38
夜想曲 嬰ハ短調 op.27-1
夜想曲 変ニ長調 op.27-2
ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 op.35

スケルツォ第1番 ロ短調 op.20
4つのマズルカ op.33
子守歌 op.57
ポロネーズ第6番 変イ長調 op.53 「英雄」

【アンコール】
練習曲ハ短調 op.10-12「革命」
バラード1番ト短調 op.23
練習曲嬰ハ短調 op.10-4
前奏曲変二長調 op.28-15「雨だれ」
スケルツォ第3番嬰ハ短調 op.39

先週聴きに行ったもう一人のピアニストについてはまた後日。
こちらは神とはまったく違う印象の人だけど、当時の貴公子が白髪のジェントルマンになっていた。でも相変わらず貴公子のごとくきらめく音色とやわらかさに吸い込まれる。で、安心した、というかほっとした、というか。
ペダルの踏み方がものすごくて(普通は踵を支点に踏むものだけど)、見てるだけで腿が筋肉痛ですよ(笑)

■クリスチャン・ツィメルマン
6月19日 みなとみらいホール
1.J.S.バッハ:パルティータ第2番 ハ短調 BWV826
2.ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 Op.111
3.ブラームス:4つの小品 Op.119
4.シマノフスキ:ポーランド民謡の主題による変奏曲



関連記事

category: 音楽

tb: 0   cm: 4

コメント

神1はGWのフォーラムでウロウロしてたらしいですよ!
屋台でチキン買ってたという目撃情報多数でした。
「ポリーニさんですか?」と聞くと「しーっ」って指を口に当ててウィンクしてたそうです。
なんてチャーミングなんでしょう!
そして神2ですが、わたし、11月にヤルヴィ指揮シンシナティ交響楽団のツィメルマン演奏「ラプソディ・イン・ブルー」行きますよ!
ツイメルマンはショパンの「舟歌」が好きですー
わたしは小5でピアノを辞めちゃいましたが、もったいなかったなぁと思います。
趣味で続ければ良かった。
nanaさんなら再開すれば余裕で勘を取り戻せるのでは?

さちえ #1olHiW.o | URL
2009/06/21 16:49 | edit

>さちえさん
そそ、そーなんですよ!その情報を私もキャッチしました。でも会わなくて良かったー、神ですから(笑)。

>11月にヤルヴィ指揮シンシナティ交響楽団のツィメルマン演奏「ラプソディ・イン・ブルー」行きますよ!
いいなぁ。ここは日程が合わず見送りなんですけど、貴公子、もといジェントルマンはこういう曲が似合うと思うんですよね~。感想楽しみにしてますね!。彼は神というより聞くとほっとするから「ほとけ」な感じです(笑)
神を目指して神に打ちのめされたから、また弾こうにはなかなかねぇ。ってすでに20年以上たってますが(笑)。それに今や複雑な楽譜は読めなくなりつつあるんで、姪っ子と「ねこふんじゃった」くらいでいいかな~(笑)

nana #- | URL
2009/06/21 22:12 | edit

>学生時代の日記帳や授業で使ったノート、もちろん文集なども全部あって
きゃ~なんかnanaさんと私リンクしまくってる笑?
私も高校の時に女友達達と手紙の交換をたっくさんしてまして(休み時間とかに手渡しするだけだけど笑)、それが確かゴミ袋何個分もあったなーって、読み返したい!って思ってたとこでした~。
(日記帳は多分あまりに恥ずかしくて破棄したような^^;)
で、nanaさんの神ポリーニ様ですが、op.53「英雄」があるではないですかあああ。
聴きたい!私も先日聴いて雷に打たれたホロヴィッツ先生、今はまって色々読んだり聴いたりしてます。
いやーやっぱピアノいいですね。nanaさん折角基礎があるんだから再開すればいいのにー。

みいこ #a1RfaJuE | URL
2009/06/22 23:30 | edit

>みいこさん
きゃ~そうなの~^^。なんかトラバ攻めしちゃいそうな感覚(笑)。日記帳はいいよ~、こっぱずかしくて「あ~青春」とひとり胸キュンになれるしね(笑)。手紙はだいぶ処分した気がするけど、交換日記とか出てきた日には、ホントにきゃ~~~ああ、だよ~(^_^;)

> で、nanaさんの神ポリーニ様ですが、op.53「英雄」があるではないですかあああ。
プログラムみて思い出したよ(^_^;)。そのくらい覚えてないの、、もうなんというか、憧れとか尊敬とかそういう感覚じゃないので、ほれ、中高生の純粋なときだから今みたいな冷静さやいろいろ知りたいとか、そんな気すら起きなかったからね~。人となりもその他諸々も放置(笑)。当時のことでずーーっと記憶に残っててその後も染み付いてるのは「上手く弾けないからといってテンポを落としたり、片手ずつ練習するのではなく、あくまで正しいテンポで上手く弾けるようになるまで繰り返し練習すること」という神の言葉。
これが衝撃の元かもなぁ。。は~~~、深い。

あ、みいこさんの○○舞台みたいな、パンドラの箱だったかも?(^_^;)

nana #- | URL
2009/06/23 23:48 | edit

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://maanei.blog15.fc2.com/tb.php/1584-38219349
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

小さな天気予報

カレンダー(月別)

お知らせ★

最近の記事

CATEGORY

RSSフィード

ブログ内検索

▲ Pagetop