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0429 Musikverein Gro遵mer Saal [Krystian Zimerman]  

ホテルから徒歩3分?のここ。
自分がここで音楽を聴くなんて、夢のまた夢。というか夢にも思わなかった、のほうが正しいかも。
一生懸命ピアノに向かっていたころ、恐怖をも感じていた別格の神ポリーニ氏とは正反対、落ち込んだり諦めそうになったときに癒されていた仏のような王子クリスティアン・ツイマーマン(日本的表記だと、クリスチャン・ツィメルマンだけど、契約しているグラモフォンの表記にならって書いてみます)のピアノリサイタルをこの夢のような場所で聴く機会に恵まれました。

今回の旅を決定させたきっかけです。

チケットはネットで購入しましたが、確実に自分の希望する席でみるために、このためだけに楽友協会の年間会員にもなりました(60ユーロ)。一般発売は1か月前、会員はその1週間前から発売しちゃうからです。
サマータイムが始まった初日、時差に注意してサイトに行くと、定刻より少し前から買える状態に。ドキドキ。
3人並んでを優先しようかと思ったものの、そうすると後方しかない、ならば、と、迷わず2と1に分けます。
私はかぶりつき席センターから少し左より、二人は18列センターに決定。
この席が49ユーロです(一人)。会費60ユーロを足しても109ユーロ。日本公演は16000円!!!!!ありえん。。

当日。
この日のための青空か・・と思うほどの美しい一日の最後19時すぎ。まだまだ明るくてこんな感じです。
ロビーは案外狭く、立見席を希望する人たちが大勢並んでいました。
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緊張しながら中へ。
ほへぇ~~~~~~。何と美しいの・・(感激)。しばし入口の扉から全体を見上げます。というか足がすくんで前に進めません。
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二人の席からみた舞台。
ピアノの両脇に警備員のような男性がいるのですよ。ピアノを守るため、らしいです。さらにはフタが閉まっています。ピアノに対してものすごい気遣い。リサイタルに行く時にはマイピアノを分解して運ぶという話を聞きますが、それほどまでのこだわりです。ご本人登場の直前にこの二人によってパカっとあけられセット完了となりました。
3730.jpg
満員御礼。ソールドアウトです。立見席にはもうギッシリ。
にこやかに登場した彼は、十分な間合いをとり呼吸を整えてからピアノに指を乗せました。
ツイマーマンの音色はとても清らかで、瑞々しい、そして深さがあります。決して奇をてらうことなく古典的かつとても真摯に弾いている印象を受けます。
この伝統あるホールは凝った設備ではない分、自然に音が響くようにできているのでしょうね。ウィーンフィルの本拠地ですから、オーケストラもきっと素晴らしい音がするのでしょう。
ピアノだけの音も妙なエコーはかからず、ナマの音が吸いこまれるように聞こえてきます。
そして、弾いているときの手の形がとても美しい。こんなに教科書のように奇麗な形のまま、どーしてもこんな風に弾けるのだろう、といつも思います。
ショパンは多くの人が記録として残しているので、聴く機会が多く、弾き手による違いもわかりやすい。彼はとても独特の味わいを持って、言うなれば濃厚でじっくり熟成した赤ワインですね。

今回私はとても緊張したけれど、いつになくというか、妙に冷静に聴いていた気がします。なんでかな?
とっても素晴らしい演奏だったことには違いないけれど、時々ふわっとどこか違うところに気持ちがいってるかな?なんて思う場面もあり、ほんの少しだけもたつくような所もあり、そしていつになくミスタッチがあったり・・そんなことに気づいている自分がいました。

もっともそうなるのは当然と言えば当然で、こともあろうに、この世界的な音楽の聖地で
しかも、ピアノソナタ2番の途中で
携帯の着信音が響き渡ったんですよ!!!!!!
しかもしかもしかも、3回も(別人です、3人も!)


殺してやるっ!

誰もがそう思ったはず。
許さん。

さらにしかも、この2番の1楽章が終わったところで、ブラボーつき拍手が。。。
(こないだ聞いた若者のコンサートでもあったけど・・)
ゆ、ゆ、許さん・・・。
このときは汗を拭きながら拍手にこたえるようなしぐさをしてたけど、完全に集中力が途切れたはず。
そこから長い間をとって、もう一度集中を高めてやり直しです。同じ曲の中ですからどれほどやりにくかったか。
それでもすぐに圧倒的な集中力で私たちを世界に惹きこんでくれました。

しかし、まさか4回も殺意を覚えるとは。

休憩時間に入るとまた例の二人組が舞台に登場し、パタンとふたを閉じます。
気を取り直して後半。ピアノソナタ3番とこれを弾かせたら右に出るものはいないと言わせるバルカロール。
これはもう文句なく素晴らしかった。頭の両こめかみがキュンと締め付けられ、一瞬記憶喪失になるかと思うほど、電光石火の如く音が突き刺さります。音の深さと音色の美しさ、この曲に込めた思いがうまく言い表せないけどビシビシ伝わって、何かを考えるより早く体が硬直してきて、終わった時には涙がつたってきました。

あ~私なんて幸せなんだろう。
20年以上前のまだ若かった自分に、諦めた夢もつながっている、こんな日が来ることを教えてあげたかったよ。
天にも昇る気持ち、夢心地、夢のような、、そんな言葉をいくつも並べたくなるほど至福の時。

にこやかに拍手にこたえ、何度も何度も登場して観客に感謝していたけれど、アンコールはなし。
本人としては、きっと満足してないのでしょう。それとも観客に殺意を覚えたか・・。

救われるのは、現地でピアノを習っていると思われる小学生、中学生くらいの少年が、目をキラキラさせ、精一杯背筋を伸ばして演奏を聴き、満足そうな笑顔で拍手を送っていたこと。
上質な音楽が身近にあり、ホンモノを聴く機会がある彼が羨ましい。そして未来が輝くことを祈って終演となりました。

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21時すぎ。あんなにまぶしい青空だったウィーンの街はすっかり真っ暗に、そしてこんなに幻想的な外観に。
足が地に着かないまま、転ばないようホテルに戻りました。

■プログラム
Frederic Chopin

Nocturne in F-sharp major, Op.15-2
Piano Sonata No.2 in B-flat minor, Op.35
Scherzo No.2 in B-flat minor, Op.31
--Pause
Piano Sonata No.3 in B minor, Op.58 
Barcarolle in F-sharp major, Op.60

■Musikverein Gro遵mer Saal (楽友協会 黄金ホール)
B醇rsendorferstr. 12
1010 Wien, 遵ムsterreich

IMG_0316.jpg
 
**間もなく日本公演が始まります。
6月にはサントリーホールで同じプログラムの演奏会があります**
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コメント

ひえ~~着信音3回もって・・ありえないですね・・1回目鳴ったらとりあえず己の携帯も再確認するよね。それって日本人の感覚なのかな~。。
ちょっとこれはひどいね。天国と地獄を激しく行ったりきたりしてたわけですね、ほんとお疲れ様です。。
しかししかし素晴らしい会場!!
日本にはこういうとこがないもんね~(仕方ないけど)。。
会場に入ったところから夢を見させて欲しいわよね~。っと昨年行った○京文化会館とか五反田のあそことかを思い出してしまいました笑。
私もいつか好きなピアニストのショパンを生で聴くのが夢です♪

みいこ #a1RfaJuE | URL
2010/05/10 22:06 | edit

>みいこさん
ホント、ありえないよ~もお~。
ここもオペラ座も観光客が増えてマナーが悪くなったという話は聞いてたけど、着信音、フラッシュ撮影となんだかなーというのはたっくさん(怒)。
途中の拍手は感動してだから100歩譲るとしても、着信音はさー、ホールの音響が良すぎて響くのよー、ほんと殺意を覚えました 笑。

こういう様式美はヨーロッパならではだな~。何でも最新!にしてしまわない歴史と我慢が人を感動させるんだなーって。東京やNYにはないからこそ憧れるかも。
> 私もいつか好きなピアニストのショパンを生で聴くのが夢です♪
うんうん、ぜひ♪

nana #- | URL
2010/05/10 23:02 | edit

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