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MET来日公演「ランメルモールのルチア」 その2  

続き(笑)。
簡潔にまとめられない頭の悪いワタクシ・・。

観ながら都度いろいろ思っていたと書いて内容について。

ダムラウのルチアは、かわいらしい。恋する乙女、な雰囲気と、この先の、どこか得体の知れない恐怖が近づいているのを察しつつ、恋する相手を思うときはそれすら忘れてしまう純粋さと、人間らしい体温を感じます。第一声からとてもキレイな音で入ってくれて、私がダムラウに恋する乙女状態で、きゅん♪としました 笑。
とても丁寧に慎重に歌い始めたのが良かったのか?自分で今日はいける!と思ったのか、この後はリラックスした声で自由自在にコントロールして歌っていました。
すべてが素晴らしいですが、一番の驚きは弱音のコントロールと美しさ。
人間大きな声を出す方が訓練さえすれば簡単だし、華やか。弱い音というのはそもそもコントロールが難しいし神経も使います。楽器でもそう。
それが、なんですか?この美しさは!!
弱く、小さいからといって聴こえないわけでは決してなく、5階席まできちんと聴こえ(たぶん)、さらにリズムもピッチも寸分の狂いもなく、すべての音が本当にキレイに聴こえてきます。
脳みそ溶け出しそう・・。

1幕の純真さが、その後裏切られ、家のために政略結婚をさせられたあとの精神が崩れていく様と絶妙のコントラストになっていました。赤いドレスを着ていても顔が青ざめていくように、体温がなくなっていくような様子がわかります。そして見せ場の狂乱の場。
デセイのルチアは声そのものが少し厳しいのもあって、よりスリリングなうえ、完全に狂ってしまった、何かに取りつかれてしまった恐怖を聴く側にビシビシと伝える演技力もあり、客席にいるだけなのにうすら寒くなる、全身凍りつきそうになる怖さがあります。それはそれでものすごく面白い(という言葉はよくないか・・)し、感動的なんですが、ダムラウはそうではない。
うすら寒い恐怖というより錯乱状態で観ていてかわいそう、、という気持ちになるルチア。
もしこの場にエドガルドが登場して、しっかり抱きしめてあげたらもしかしたら回復するんじゃないかしら、、と思う感じ。もちろん登場しないから、どんどんかわいそう、誰か助けてあげて、、と思ってしまう。(で、ハラハラしながら泣く私・・)
LUCIA Damrau as Lucia_510

という部分を、15分近く、ルチア一人で歌い演じる最大の見せ場です。
ダムラウは幕ごとに声の色を変化させて歌っていました。コロラトゥーラと呼ばれるテクニックはお見事というしかない、そしてここでも最高音をスコーンと決めたり、弱音を絶妙なコントロールで歌い、脳みそ溶け出すだけじゃなく全身の血液入れ替わりました、くらいの声のもつ凄さを体感しました。
贅沢をいえば、最後の最後の最高音が、1回目と同じようにスコーンと決まったらもっとスリリングだったなーと(ここはビブラートでごまかした感あり・・)。いえ、わざとそうしたのかもしれません。ただ、私がそう思ったただけです。

往年の名歌手たちの声をいろいろCDで聴いてきましたが、まさに今人気、実力ともに世界トップクラスの人の歌唱を生で聴く、というのはこんな素晴らしい経験になるんだ、と実感。
本当に素晴らしかったです。


期待を一身に背負って登場したエドガルドのヴィラゾン。第一声を聴いた時、自分が思っていた印象とは全く違う甘い声で驚きました。もっと熱くてまっすぐ抜けるような声の印象が強かったので、あれ、あれれ?ナマで聴くとこう聴こえるのか、、それとも術後声が変わったのか?なんてことを思いながら聴いていました。
そしてとっても緊張している様子も手に取るようにわかります。ダムラウよりもっともっと慎重に、丁寧に歌っている気がしました。甘い声なのはともかく、オケが鳴ると声が・・おーい、聴こえないよ。。。がんばれ、、と手に汗握る状態。
それでも登場して歌い演じる姿は、ダムラウの恋する乙女に対応するべく若い恋する青年でした。なんというか、家同士の不幸な歴史を背負い復讐せねばならない、という運命をできれば避けたい、彼女と幸せになりたい、という今どきの若者風 笑。家と彼女の間で苦悩するというより、回避する方法はないものか、、という苦悩が大きそう。

ヴィラゾンは幕が進むごとにリラックスしてきたような気がします。ルチアが結婚した、裏切られたと知った時のショックな様子やらやけっぱちなうろたえぶり、甘い声ながら見た目と裏腹な優男風だけど熱い歌です。そして圧巻はラストのアリア。
もう最後だ、自分の歌で演目を閉める責任感からか、ここの絶唱には鳥肌が立ちました。オリジナルキーではなく半音さげて、オケも少し抑え気味だった気はしますが、それでもルチアへの想いにほとばしるような熱さがあって見事な死にっぷり^^;。
は~、素晴らしい。

終わり良ければすべてよし♪

そうそう、2幕の舞台セットと照明の使い方(エンリーコに結婚しろ、エドガルドはひどい男だと言われてる館の場面)がまるでフェルメールの絵画のようでとても美しかったです。


余談)
サイン会終了後、ヴィラゾンは、待っていたファンに取り囲まれて、感激してか?1曲その場で歌うという嬉しいハプニングがあったそうです。いい人だ~!!
_MG_4422.jpg
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category: オペラ

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コメント

お疲れさま!
堪能しましたね~~
ヴィラゾン、もうちょっと聴いてみたいなぁとつくづく思いました。
3幕はオリジナルキーだったらさぞ!と思うのです。
セットもとても絵画的で良かったよね。
1幕の森はコローのようだったし、ダムラウ本人もミレーが描くような雰囲気でした。
来週もよろしく!

さちえ #1olHiW.o | URL
2011/06/11 12:51 | edit

> さちえさん
どもども、ホントに良かったねぇ。
歌手のみなさんはもちろん、華やいだ雰囲気も自分たちの浮かれ気分も 笑。
ダムラウもヴィラゾンもこれから何度も聴きたい、そしていろんな役で、ね。
また来週 笑。

nana #- | URL
2011/06/11 22:31 | edit

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