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MET来日公演「ドン・カルロ」~2夜連続オペラ  

旅先でもないのに、2夜連続のオペラ観劇。
なんて幸せな生活♪

今回の来日公演で、キャスト変更によるダメージを一番受けたと思われるのがこの「ドン・カルロ」です。当初の予定通り実現していれば、本当に世界中のオペラファンからこんな贅沢なキャストで・・と涎ものだったのですが、そうはいかないのがオペラ・・・らしい。今回は震災やら原発らが原因になっていますが、もしそれがなかったとしても全員そろったかどうかは微妙。MET総裁ゲルブ氏のコメントによれば「オペラの世界はボルケイニックだ」とおっしゃってましたが、まさにそんな感じ。

平日18時開演、しかもNHKホールとなると、定時まで働いたら無理。さりげなく1時間ほど早退して向かいました。会場についてみると、キャスト変更の掲示板の前に人が群がり、それをみて初めて知った様子のおばさま方が口ぐちに「おかしいと思ったわ、メットがくるわけないと思ったのよ、フィレンツエも中止になったのに。。」とブツブツ。いえ、メット来てますよ、これから見るのはメットですから・・と小声でつぶやく私 笑。

私はそりゃ~夢のようなといわれるキャストでみられたらそれはそれで素晴らしい経験だったと思うけど、どれほどブツクサいってもどうしようもないことで悲しんでいるほどマゾでもないし^^;、作品目当てだったのでReplaceされたメンバーでも十分に楽しみでした。
ま、ゲルブ氏のあいさつ時は、前日のルチアのように好意的な拍手は少なく、何となくシラ~っとしてましたが、、その気持ちもよくわかります。。。

で、結果。
「やっぱり、ドン・カルロは面白い!!」
休憩入れて5時間もの長時間ドラマですが、ぜ~~んぜん飽きることなく面白くて、おなかも気持ちもいっぱいになりました。いや、実際におなかは空いたんですが^^;、家に帰ってきてからもしばらく頭の中が興奮状態で眠れなかったです(前日もです!)

昨シーズンからMETは新しいプロダクションになりましたが、日本では長いこと使っていた伝統的なもの、確かに古い印象はありますが豪華だし味があります。そしてまた衣装が豪華。とても高価で重そうな、これぞオペラというイメージ通りのもので体格のいいキャストのみなさんにはよく似合うんです。こういうコスチュームプレイ的なものも私は好きなので入りやすかったかもしれません。家にあるDVDもこれと同じものだし。

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まずは何が素晴らしいって、ルイージ+オケです。メンバーは昨日と同じよね?(もしかしたら一部違うかもしれませんが総とっかえということはないでしょう)と思うほど、全然違う音圧です。もちろん曲もスタイルも違うから当然かも知れないけど、弦の鳴り方、うねり方がすごくて始まって10秒で泣きそうになりました。凄いかも、今日絶対いい!と確信しました。
金管系が最初パフってたのはご愛敬・・^^;
最終幕が始まる前には「ブラボー!マエストロ」の声がかかりました。

そして男声陣。
この役がすっかり板につき、さまざまなプロダクション、世界中で歌っているルネ・パーペの素敵な声。ルイージが遠慮なく鳴らすオケを楽々飛び越えて3階席までビシビシ届きます。
メンバーが若いせいもあって王としての威厳も抜群。全体を引き締めていたのは間違いなくこの方だったと思います。そういえば、私が初めてNY METで聴いたオペラ魔笛に出演していたんですよね。その時もよくわからないけど、いい声だったーと一番印象に残ったのが彼です。
しかし大きな声では言えませんが、この日唯一目を閉じたくなったのが彼の歌う名アリア・・なんか退屈しちゃったんです、ごめんなさい!!寝てないけどね。
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もう一人スターオーラ出まくりで十二分に歌いこなしているホロストフスキーは、イケメンらしく彼が登場した瞬間に会場の温度が少し上がった気がしました。華のある人です。銀髪なびかせる姿はそれはそれは素敵でした。タイプじゃないけど 笑。ロドリーゴが殺されるシーンでは思わずあまりのかっこよさに、いえ、歌声に涙がボロボロと 笑。ここでBravo飛ばしました、私♪。ホロストフスキーもとても響くいい声をしているのですが、パーペと違って前に飛ぶのではなく、体に入るような感じなので、ガンガンオケが鳴ると思ったほど響いてこないなとも思いました。ただ、声量がないわけじゃないので、オケなしで歌うときなんかはガツンときて、ドキドキします♪

そしてヨン様。
カウフマン目当てでチケットを購入した人からのクールな視線を一身に受けて登場した韓国人テノールですが、良かったですよ~。新スターの誕生を観られるかも?というゲルブ氏のコメント通り、きっと彼はこれから世界中で活躍するでしょうね~。METではすでにロールデビューしてますが、私を含め初めて聞く多くの日本人はすっかり魅了されたことでしょう。アジア人なのに、体型的にもビジュアル的にも不利じゃない、インタビューを聞いてもカーテンコールの様子からも性格も良さそう。そして何よりものすごい美声です。変な癖のないキレイで素直な声かつ会館の隅までビシビシ響かせる大声も持っていました。細くて華奢に見えるのにどこからそんなデカい声がでるのだろう・・。
ただ何か自分の中で。ここは決めよう!みたいな曲とそうじゃない曲があるのか?無意識に聞かせどころで力が入って終わると抜けるのか 笑、、決めようと思った時の素晴らしさの次があれ??力抜けてる・・みたいに感じることが何回かあったのが惜しい。ホロストフスキーとは親友というより信頼する兄貴みたいな感じだったけど、ちょっと情けなく、恋に恋する若者像がとってもよかった。カーテンコールでは大喝采を受けていましたね。
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もう一人、代役ということで始めっからチケットを買った人の怒りをすべてぶつけられてしまった感のあるソプラノ、ポプラフスカヤ。かわいそうですねぇ。彼女何にも悪くないし、彼女だってフランスでコンサートの予定があったのにキャンセルして来てくれたのに・・。
ま~しかし何というか彼女は正面から見ると顔が真四角・・・、そしてパーツが中央にギュッと寄り過ぎている・・・これも本人は悪くないとはいえ非常に気になります。さらに愛想があんまりよくない。。
でも、3階から見る分にはそんなとこまで見えないので問題なし♪
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さらに遠くから見ると、彼女の姿はとても気品があって美しく見えます。指一本、首を小さく動かすような所作まですべてがとても美しいので王妃にぴったりの雰囲気があります。さらにゴージャスな衣装も四角い顔だからこそ遠くから見るとぴたりとはまって着こなしも美しい(あれ、けなしてるよう・・大汗、でも褒めてます)。
国のために婚約者じゃない王との結婚を受け入れたり、カルロの想いがわかるけど自分の立場を弁えてきっぱり拒絶したり、そういうのが伝わるからホロリとさせられます。しかし声が・・・あんまり魅力的じゃないのですね、その上椿姫のヴィオレッタよりはずっといいですけど、いろんな部分で不安定だし、何しろ高音が終始苦しそうでした。いや、1・2幕はそうでもなかったですが、だんだん明らかに苦戦しているのがわかりました。無理やりひねり出すように歌う姿に目頭が熱くなります。大きな失敗はしないように慎重に歌っていたのがとても印象的。この日は調子が悪かったのかな?
ある一定の音域ではふくよかな声で歌ったりもしていたので、これからってとこなんでしょうか?

カーテンコールでもヨン様はじめみんながニコニコと笑顔振りまく中、自分に納得がいかないのか、そもそもそういう人なのかはわかりませんが、ニコリともしない姿に・・・ああ、こういうところも日本人には受けが悪いんだわ・・と思ってしまいます。日本人って愛想のいいとか愛敬がある、とか好きだしね。

そうそう、エボリ公女のグヴァノバは眼帯?しないんですね。若くて美しい人なので、自分の美貌を呪うわ~と歌う姿に説得力あり!なんかいい人っぽかったけどね。もう一人とても印象に残ったのがテバルドを歌ったレイラ・クレア。すごく素敵な声だし美人さんです♪

出演者の多くが東欧系(ロシア、旧東ドイツ、スロヴァキアなど)なのでイタリアオペラなのに、どこかクール
な空気が流れていたのと不思議な重みを感じました。

これもチケット足したい・・・

■メトロポリタン・オペラ2011 来日公演「ドン・カルロ」
指揮:ファビオ・ルイージ
演出:ジョン・デクスター
出演者:ドン・カルロ:ヨンフン・リー
エリザベッタ:マリーナ・ポプラフスカヤ
ロドリーゴ:ディミトリ・ホロストフスキー
フィリッポ2世:ルネ・パーペ
エボリ公女:エカテリーナ・グヴァノバ
テバルド:レイラ・クレア
宗教裁判長:ステファン・コーツァン
■2011年6月10日(金) 18:00開演~22:45頃終演
1・2幕:18:00-19:45(25分休憩)
3幕:20:10-20:45(25分休憩)
4・5幕:21:10-22:40
■NHKホール 3階L1列 センター寄
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