MET来日公演「ラ・ボエーム」

来日公演の最終日、最終公演のボエームです。
ここまで来たら行かねば!と直前購入で行ってきました。そして最近には珍しい全公演渾身のレポ(笑)!
終了後数日たって思うのは、ボエームは、個人的にどーの、ということよりも、本当に豪華なMETオペラを観た!堪能した!という言葉がぴったりなチームワークのオペラだったなぁとしみじみ。(舞台の大きさの違いによりNYより少々小ぶりなセットだったですが)
ボエームはNYでも見ていますが、どうもあまり感動した記憶がないのですよね。素晴らしいセットと華やかさ、プッチーニの甘いメロディどれも素敵なのに、、、

最終公演は、まずオケが本当に素晴らしい。ルイージは、甘美なプッチーニを甘美に酔わせすぎないコントロールとそれぞれの楽器、歌手との一体感、主張しすぎず控えめすぎない、セットや歌手に集中しているときでもどこかに音を感じていられる幸せに酔いました。

男性陣は全員がいい感じでした。それぞれにとても楽しそうに生き生きと見えました。ロドルフォのアルヴァレスは「冷たい手を」であれれの半音下げ。とても期待していたので驚きでしたが、全体としては素敵な歌を聴かせてくれました。休憩時に「調子が悪いとかじゃなくてアルヴァレスはもう声自体が下降線だからなぁ。。。云々」と話している方がいたけれど、下げたのはそういう理由だったのかな?
ムゼッタのフィリップスは若さが溢れ元気いっぱい。哀しげなボエームの中ではこのくらい弾けてくれるといいですね~♪ 最終幕との対比で思わず目頭が熱くなりました。



そして、フリットリのミミ。
とても落ち着いた品のある女性で、うーん、大人でした(^^;)。声もふくよかで品があって男性陣の中にあって一筋の光であり、天使のような存在。とても素晴らしかったですが、時々うーーん、と(笑)。最後はとても丁寧に歌いつつ、大人から少しチャーミングな女性になって息絶えてしまい、そこにアルヴァレスの情感溢れる「ミミ~~泣」の絶唱。ボロボロと泣くことはなかったですが、思わずじわ~んとこみあげるものがありました。ボエーム観て初めてこういう気持ちになりましたよ^^;
その余韻に浸りつつ最後の最後の音が完全に消えて、さらに一呼吸置いてからの熱狂的な拍手。これで完全に終わりなんだなぁ、という一抹の寂しさとものすごい充実感。素晴らしかったです。
さらにさらに、何度目かのカーテンコールのあと、もう一度幕が開き、舞台上にメインキャストだけでなく出演者全員、スタッフ、オケのみなさんが勢ぞろいし、満面の笑みで手を振る姿には、もうなんというか、言葉にならない感謝の気持ちでいっぱいになりました。こんなに大勢が(これで1演目ですから)本当によく来日してくれたなあと、ここでボロボロっと涙が。

その気持ちを抱えたまま、ルチアに次ぐサイン会に直行。マルチェッロのクヴィエチェンは来年4月に新国立のドン・ジョヴァンニで来日する予定になっているので、「来年楽しみにしてますよ、行きますから!(ホント?^^;)」と伝えると、「4月ね!僕も楽しみにしてるよ~!」と。新国のオペラは安価なんで来日してくれたら行こう!スザンナ嬢はいかにもアメリカーンな明るい女性。
フリットリはアンニュイな美しさ。アルヴァレスはクマさんのよう(笑)。
全員に来てくれたお礼を言えてよかった!
そして一番の拾いもの(失礼!)は、レリエ(名前が覚えにくい!ジョンならすぐ覚えるけど(笑))。
遠くからみてもスラリと素敵だな、とは思いましたが、至近距離でみたら、なにそれ??オペラ歌手にあるまじき美しさ(笑)。プログラム写真ではそう思わなかったけど(というか写真うつりはどれもヨロシクナイ)、ホントにかっこよくて・・(ぽわん)。
全員表紙にサインをしてほしかったのに、彼は自分のページを探してそこにしてくれたのですが、まだ自分の知名度が低いから覚えてもらおうと思ったのかな?知ってますから!!
顔の美しさもさることながら魅惑の低音ボイスにクラクラ

来日公演をゴタゴタ、心配も含めいろんな意味でたっぷり堪能して、MET来日公演を締めることができました。

4公演終わってみて
1.作品そのものが面白い、オペラを見た!楽しかった!はドン・カルロ
1.人間の声の脅威、声そのものの奥深さをたっぷり感じたルチア
1.METらしく豪華で音楽、出演者の一体感で楽しんだボエーム
という感想で、どれも素晴らしい公演で、全部みられて良かったな、と実感。
自分が今オペラを見たい!という好奇心がとても高まっている時期にぴたりハマったこともあって、ホントにホントに堪能しました。オペラ楽しい~~~!!
とってもわかりやすい「ラ・ボエーム」あらすじ
※写真はメトロポリタンオペラWebsite The Met in JAPANより
■メトロポリタン・オペラ2011 来日公演「ラ・ボエーム」
指揮:ファビオ・ルイージ
演出:フランコ・ゼッフィレッリ
出演者:ミミ:バルバラ・フリットリ
ムゼッタ:スザンナ・フィリップス
ロドルフォ:マルセロ・アルヴァレス
マルチェッロ:マリウシュ・クヴィエチェン
ショナール:エドワード・パークス
コッリーネ:ジョン・レリエー
ベノワ/アルチンドロ:ポール・プリシュカ
■2011年6月19日(日)19:00開演~22:00頃終演
1・2幕:19:00-20:05(休憩25分)
3幕:20:30-20:55(休憩25分)
4幕:21:20-21:55
■NHKホール
■3F-C1列
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さちえ