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マリア・ストゥアルダ(MARIA STUARDA)  

何年か前から有名劇場、楽団のオペラ、バレエ、オケ番組は忘れずに録画するようになりましたが、これがありがたいことに結構な量で、録ったはいいけどなかなか全部を観るまでには至りません。
1つ1つがそれなりに長いのもあるけれど、気持ちがそこに向かわないと、なんとなく観るとか、何かをしながら聴く(オケの場合はたまにあり)ことが難しいのです。

ましてや聞いたことのない作品だったりすると・・・・zzzzz(笑)。
オペラの場合だと、以前よりは多少ましとはいえ、圧倒的に知らない作品の方が多いしねぇ。
放送日にそのまま観ればよいのだけど、それも深夜の時間帯が多いので、なかなか起きていられない。
うっかり起きてると終わると朝だったり・・zzzz(笑)。

そんなわけで、この週末少し涼しく気持ちも元気だったので、掘り起こしてみてみることにしました。
放置作品鑑賞第1段はミラノ・スカラ座2008年公演「マリア・ストゥアルダ(MARIA STUARDA)」(ドニゼッティ作曲)。

ストゥアルダ?誰それ?というレベルの私ですが、調べてみたら、なんとスウェーデン王妃「メアリー・スチュアート」のことでした。エリザベス1世の時代の人。
ああ、なら知ってる^^!
もう、英語だと、イタリア語だと、フランス語だと・・というのが多くて無知な私は一人で混乱^^;。特に人の名前というのはMary、メアリー、マリー、マリア??どれも正しいのに通じなくなるから。。やっかいだ。
200px-Mary_Stuart_Queen.jpg

この手の作品は映画もTVドラマもたくさんありますが、私が一番じっくり観たのは、TVドラマ版、ヘレンミレンがエリザベス1世、レスター伯をジェレミー・アインズがやってた長時間ものを観ましたよ、わりと最近。
e.jpg

近頃の映画だとケイト・ブランシェット?でもそのストーリーとは少々違って史実とも脚色されたものでした。
史実ではエリザベッタとストゥアルダは1度もあったことがないそうだし、映画ではレスター伯がマリアを愛していた、なんてことはないし。
ま、それはいいです。どっちでも。

で、何が驚いたって、この映像の始め出演者が表示されるのですがそこに出てきたマリエッラ・デヴィーアの名前。ひえ~~~、これを放置してたのか・・・バカバカ。
今月初めに彼女のリサイタルに行ったのですが、この録画から3年ほどの年月がたっています。
リサイタルの感想はそのうち上げるかな~、わからないけど、ああ全盛期に全幕物で聴きたかった。と痛烈に思ったのですよ。それがこんなところのあったとは・・生の舞台じゃないけれど、買わなくても見られるのに、、ああ。というかNHKさん万歳!(笑)。

今の大画面、HDの基準ではちと厳しい・・・いわゆる美人ではない、けれど、オペラ歌手として想像するとそう期待と違わない風貌(ほめてるんだかけなしてるんだか・・^^;)。しかもそれなりの年齢なので、アップになるとこわもてのおばさんなんですが、その顔からは想像できない美しい声なんです。普通に生活していても年齢とともに声は低くなったり重くなったりがさついたりするのに(ええ、私は自分についてもそう思います、どんどん低音な女になってきているし)、あれだけの声をどうやったら保てるのだろう。あのテクニックをどうしたら維持できるのだろう。声と顔のアンバランスさはあるし、今の歌手の人たちのように飛んだり跳ねたりやたら動き回ったりなんてことはしないけれど、不遇の王妃だからいいんです、動かなくても。

いえ、60歳の・・・ということを全く知らずに聴いたとしてもありえない素晴らしさですけどね。
これほど見事に一点の曇りもなく、ピッチも正確で、細かな装飾音もコロコロコロコロとすべての音が聞こえてくる素晴らしさ、どの音もスコンスコンとクリーンヒットを打ち続ける還暦のおばさま。そしてものすごい迫力の最高音。そりゃさすがに少し痩せる感じがありますが、それでも近頃聴いている人たちと比べてもそん色ないどころかレベルの違いを私レベルの人間でも瞬時に感じることができる素晴らしさ。不安にになったりすると下げてしまう人が多い中、ためらうことなく果敢に、というより強靭な意思を持って歌う様に圧倒されっぱなしです。
特に降りてくる音の扱い方の素晴らしさよ(感嘆)。
ありえない・・・。ホントにありえない・・・。
もう口をあんぐりあけて聞き入ってしまいました。10年前、20年前だったらどんなだったの??

ここまでのテクニックと声の維持をするのにどれほどの努力を重ねたのだろう・・。別にインタビューや文字で伝えてくれなくても歌声を聴いているだけでその背景をもつかみ取ることができます。
調べてみると、確かに素晴らしいが、教科書的でつまらない歌唱とか、うまいが心に響くものがないとか言ってる人もいましたが、彼女の曲を聴くと、人気者たちの歌う曲のオリジナルはこうである!がよくわかるし、こんなに細かい音がたくさんあったのか!とか、ええっ!?こういうメロディーだったのか?なんて新たな発見があったりします。うーむ、確かに教科書的(+_+)。
もちろん教科書のように正しく歌えば誰しもが感動するわけじゃないし、かえって退屈してしまうのも事実だけど、とはいえ、それができなければねぇ、基本ですから。
しかし、少し前の音源はそういう発見や素晴らしい歌唱であっても正直退屈してしまうのも事実。経験が加わったまさに今が一番旬なのかも。やっぱり「今」なお輝くディーヴァなんですね。

オペラは目で見て、耳で聞いて、体で感じて、脳に響いて、そして心が動く。これを劇場で聴いていたら私どうなっていただろうか・・・
すっかり興奮して深夜に目がギンギンにさえてしまいました(笑)。

リサイタルの後、聞きたかったルチアがなかったのでYou tubeを検索したところ、これまたあり得ない素晴らしいルチアの映像があったのですが、これを聴くとMET公演で聴き、素晴らしいと鳥肌のたったダムラウを持ってしても、まだまだひよっこじゃなかろうか、、と思ってしまいます。素晴らしい演技力のある歌う女優デセイにしても、デヴィーアよりひとまわりくらい下なのにすでに声が相当摩耗してるし、高音は首絞められてるような声になるので、一緒に青筋たってしまう状態。全幕物でみるとそれぞれに個性があり、相手があり、音楽があるので、どの人にも良さがあるし、単に声だけ、歌だけでない伝わる「何か」があって、私はデセイもダムラウも大好きだけど、こと「歌」に焦点を絞れば良しあしじゃなくそもそものレベルが違い過ぎる・・・。
こんな風に長きにわたってキャリアを形成することができている努力にひたすら頭の下がる思いでした。

リサイタルでは正直消化不良気味ではあったのですが、それでも、
人生のどこのピークをもってくるか、若く元気で何でも手に入る、まわりからもちやほやされる、何でもできる時期を超えたときこそ輝けるための努力をどれほど惜しまずにできるか、それに気づけるか、そんなこをとしみじみ考えてしまった・・
とつぶやいたのはこの歌を聴いたからです。

他に聴いたことがある人といえば、レスター伯のフィランチェルコ・メーリ。彼若いんですね。このときまだ28歳?そのわりに落ち着いた雰囲気がありますが、いい声してました。美しいテノール。外人というか歌い手さんにしては口が小さいのかな?あんまり口元アップで見ない方がよさそうです(笑)。

ああ。
エリザベッタ(エリザベス1世)のアンナ・カテリーナ・アントナッチはメイクが怖い~。これはアップで観てはいけない!大画面もいけない!なんか白塗りだし眉毛ないし・・(確かそもそも彼女の絵もそんなですね)。
しかしま~デヴィーアがあまりに貫録があって堂々としているもんだから、エリザベッタは少し負けている感じさえしました。仕方ないか。

ドニゼッティの曲は悲劇でも長調なものが多く、コロコロコロと歌のですが、結構内容は重いです。
この作品の最後は史実どおり真っ赤なドレスの王妃が断罪されるまさにその瞬間、首を断頭台の上に置き斧を振り上げた瞬間に暗転しますから・・。。(その場面の映像です)




カーテンコールではちょっと厳しいブーも聴こえてきます。デヴィーアに対してじゃないですよ。テレビだとよくわからないけれど、ナマならではのよろしくない部分があったのかな?ん~劇場に籠りたい!!

いずれにしてもよくわからなくてもやっぱり録画はしておくもんです。なんじゃ、こりゃ?な作品名も、あるタイミングで観てみるとこうやって感動するんですから(笑)。消さなくてよかったよ~。


ちゃんとDVDにもなっていました!

■ 「マリア・ストゥアルダ」(ドニゼッティ作曲)

エリザベッタ:アンナ・カテリーナ・アントナッチ(Ms)
マリア・ストゥアルダ:マリエッラ・デヴィーア(S)
アンナ・ケネディ:パオラ・ガルディナ(Ms)
レスター伯ロベルト:フランチェスコ・メーリ(T)
ジョルジョ・タルボ:シモーネ・アルベルギーニ(B)
グギエルモ・セシル卿:ピエロ・テッラノーヴァ(B)

ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団
指揮:アントニーノ・フォリアーニ
演出:ピエル・ルイージ・ピッツィ
2008年、ミラノ・スカラ座ライヴ収録
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