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歌詞と演出はそれなりにリンクしてほしい  

爽やかな秋晴れ、ではなかったけれど、日ごとに季節が進んでいくのを実感しながら2度目のロベルト・デヴェリューです。バイエルン国立歌劇場来日公演の演目のうち、当初はローエングリンを安い席で見ようと思っていたのですが、先週神奈県の公演が素晴らしかったのでもうこれが最後かも?の気持ちもあってこちらに急きょ変更です。
もちろん安いプレミアム・エコノミーです!

4階R2列、このホールは古いですが(来年50周年らしいです)、上の左右の席にはとても自然で遠さや高さを感じさせない音が響くような気がしました。いろいろなところでオーケストラを聴くなら4階や5階サイドがいい、とよく言われるのがわかるようでした。先日3階センター2列で聴いた時よりもっとダイレクトに響く感じ、これは直線的な距離があるセンターより反響板や壁の力をかりて響くとそうなるのかな?ということで音響的なストレスはありませんでした!。とはいえ、いくらサイドの音がいいといっても、あまり舞台側によりすぎると舞台左右にある丸みを帯びた壁に視界や舞台上のセットが遮られることもありますが、今回はほぼ問題なし。体全体を右に向ければそう疲れないかな?もちろん細かな顔の表情なんかは見えませんが、私はこれにはこだわりがないので(っていつも書いてますね(笑))これも問題なしです。

今日は全3回のうちの3回目、この演目の千秋楽となります。
劇場は賑やかで華やぎはないですがじわじわと密かに盛り上がっているような(なんとなくドイツらしい・・)雰囲気でした。

で、いきなりですが(汗)、私はこの演出はよくない、と思いました。DVDを観た時から思っていましたが、その思いをより強くしました。別に全員スーツ来てるから良くない、とか、コスト削減したセットがいかん、と現代への読み変えがすべて悪いとは思いませんが、それは演目によるよな~と素人の私は思ってしまいます。何しろバランスが悪いのです。

前回も書きましたが、そもそもエリザベス1世(グルベローヴァ演じるエリザベッタ)、エセックス伯爵(ドルゴフ演じるロベルト)、公爵夫妻との話であって、時代を現代にし、舞台をどこぞやの会社にして演出しても歌詞や元の台本は作られた当時もので字幕もそのままです(陛下の慈悲をとか、反逆部隊の反乱がどうの、、とか^^;
)。
色恋ドロドロ系だけみたいになっているけれど、本来は国王は結婚も恋愛も国事だし、お世継ぎを生むのは国のための最大のお仕事のはず。エリザベス1世は結局生涯独身だったけれど、それでもその任務があったからこそ色恋ドタバタとドラマになるわけで、その上の悲劇だからこそ面白くなる(失礼)し、それをのぞき見するようなこういう話が取り上げられるのだと思います。
(たまたま昨日ブーリン家の姉妹(映画)を観たので余計(笑))

それをどこか企業の女社長と若いイケメンとの秘めた恋愛話としてしまうとその根底が崩れてしまうから、全く女は結局そういうことで嫉妬に狂ってしまう、会社の存続や業績より自分の恋愛が一大事、そんなことで辞めちゃうのか・・なんて単なる3面記事状態になってしまいますよ。もちろん男性も若い女子を追いまわす人もいるけれど、それはそれ、と割り切れるのが男の性格らしいし・・(笑)、それに嫉妬に狂って死刑を宣告、命を奪いました、えーー、世の女社長が死刑とか?、、殺人じゃん、そんなことして逮捕されないのか・・と、ちょっと女社長をばかにしてませんか?と思いたくなるようなものに感じます(事実それを描きたかったんだそうですよ、演出家談。まったく)。私が女だから余計にそこに違和感を感じるのだと思います。

そして裏切ったから銃殺刑って・・・これはこの演出の現代じゃありえないでしょう。歌詞は斧が首に振り落とされる・・断頭台で首を刎ねるとかです(笑)。ま、方法が変わるくらいならいいですが、そういうとこだけ唐突に時代が遡るんですから、大砲が鳴ったとか(笑)。さらに女社長の親友は普通に考えればキャリアウーマンで家で旦那の帰りをじっと待つような性格じゃないでしょう、忙しいし。なのに、旦那の帰りをじっと待ちながら刺繍をしちゃう、へん。
旦那は旦那で妻と親友に裏切られたとわかった途端に、妻の手足をしばり、目隠し、猿ぐつわまでして部屋に軟禁(DV?)、その後ろでは捕えられたイケメンが同僚たちから殴るけるの暴行をうけ、血だらけになって、さらに執拗にタバコの火を顔に押し付けられたり、目隠しされたまま最後にはシャツもズボンも脱がされてパンツ1枚にされる・・暴行っていうかリンチ?ここでパンツ1枚にしてしまうのは女性へのサービスショットですか?(笑)。ま、今回みたいに若いイケメンテノールならサービスというのもうなずけますが、だいたいはビア樽かメタボ父さんみたいな人だからサービスショットにもならないよなぁ、、、、(苦笑)。全く意味がわからない。

当時こそそういう暴力的なことはあったでしょうけど、現代に読み変えてそんなことできるってどんな会社よ?マフィア集団とか闇、、、なんとか、とか?
最後には、突然ドレスを着て登場した社長がチャラついていた小僧に王位を譲るといきなり王冠渡した相手が実は甥っこですって、えーー甥っこ?なんですか?

全くドイツの刺激だけを求めて作るこういうわけわからん演出というのはドイツ人には面白いのかな~? 聞こえてくる歌詞と目の前で行われていることが違い過ぎるのは想像力で変換するのでしょうか。何もドレス着て馬を登場させたりすることばかりが演出じゃないですけど、ここまでされると、変な違和感だけが残って、せっかく素晴らしい歌唱を披露してくれてるのに後味が悪いと思ってしまいました。

もちろん感じ方は十人十色ですから、今回同じ演出のこの作品をみても、全く違う感想を持った人も多くいたと思うし、感じ方や考え方はどれが正しいものはないと思っています。ただ、私は嫌い。

で、みなさん。
ドルゴフ君はすっかり落ち着いて余裕をもって歌い演じていました。伸びのある声はますます伸びて若いツバメの傍若無人な振る舞いや反乱ぶりがお見事。甘さと引きが加わるともう少し大人の雰囲気になるんじゃないかなあ。まあ、彼があまりに若くてイケメンなんで、余計に3面記事状態の軽い話にみえたのかもしれません^^;。
サイン会で、6月のエドガルドが日本では好評だったこと、こんなに早くまた再会できて一段と素晴らしかったと伝えてみました。ものすごーーーく無邪気に喜ぶ姿に胸キュン(笑)。間近でみた好青年ぶりも手伝って今後の活躍を母のように見守りたいと思います(笑)。

ガナッシもふくよかで太い安定感のある声と演技力で良かったなあ。

代役の中ではいまいちだったのが公爵のチェッコーニ。いい声をしているしキレイに歌えるのにもったいない。最初こそそつない感じだったけれど、声は響かないし安定感のない歌いっぷり。他の人が演技派なのもあって怒りだしてからの迫力不足と音の扱い方が雑なのがな。。残念。

そして女王グルベローヴァ。
調子がいいのか悪いのか。声そのもののツヤは先週の方が間違いなくありましたが、声量というか絞り出しという部分ではこの日かなぁ。でももういっぱいいっぱいな感じです(涙)。並みの歌手ならひっくり返ったり荒れたりするでしょうけれど、それがないだけでも超人だし、そうだったとしてもひとり別次元にいるような存在感や崇高さがありましたが、正直なところ、こうやって全幕物の舞台でみられるのはもしかしたら最後かな~なんて寂しく思ってしまう感じでもありました。
演出が気に入らないとはいえ、そんな一抹の寂しさもあって、三幕最後の迫力と悲壮感には思わず涙がにじむわけです・・。


この日千秋楽だったのに、なんだかあっさりしていました。
観客の熱、という意味では神奈県の方が圧倒的に上だった気がしました。千秋楽だからもっともっと盛り上がるかな~と思ったのですが・・・。

なにはともあれ、いま観るべき舞台でした。
412054117.jpg

■バイエルン国立歌劇場来日公演「ロベルト・デヴェリュー」
指揮:フリードリッヒ・ハイダー
演出:クリストフ・ロイ
出演者:エリザベッタ:エディタ・グルベローヴァ
ロベルト・デヴェリュー:アレクセイ・ドルゴフ
ノッティンガム公爵:デヴィッド・チェッコーニ
サラ:ソニア・ガナッシ
セシル卿:フランチェスコ・ペトロッツィ
グアルティエロ・ローリー卿:スティーヴン・ヒュームズ
ロベルトの召使:ニコライ・ボルチェフ

■2011年10月1日(土)15:00開演~17:50頃終演
 1・2幕:15:00-16:30 (休憩30分)
 3幕:17:10-17:50
■東京文化会館
■4F-R2列 (プレエコ)
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category: オペラ

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コメント

き、厳しい~~
3年前の演奏会形式の方が歌唱を堪能するには良かったのだけど、
それはそれでちょっとさみしい舞台だったのよね。
まぁ、わたしはロイ演出しか知らない身なので、
今回もそう違和感なく楽しめましたが(笑)
グル様は来年のウィーン国立での来日はなさそうなので、
わたしも今回でもう最後と覚悟しました。
あとはリサイタルとかで来てくれれば、、って感じです。
最後に間に合って良かった!って思います。

さちえ #1olHiW.o | URL
2011/10/04 09:35 | edit

さちえさん

き、厳しい~?かなぁ。はは。
めずらしく正直に書いてしまいました^^;。私も他の演出は全編通して見たことないけど、今回のはどうもなぁ、なるほど!と思える部分がなくて。違和感なく楽しめた!というのが羨ましいです。
たぶん何回観ても私はダメだろうな。
とはいえ、本当に間に合ってよかった、観られて良かったね♪

nanamayu #- | URL
2011/10/04 23:28 | edit

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