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今シーズンの一本目!  


今年METから届いたものは全てネトレプコ嬢の表紙です。今シーズン、彼女が出演する予定なのは2つ、オープニングでMET初演の「アンナ・ボレーナ」と来年3月の「マノン」。
日本公演をキャンセルしたって無問題のMETのディーヴァなんですね~。

このシーズンブック英語版(一番奥)はライブビューインク上映の映画館で買えるそうです。確か2900円!高いっ!!

オープニングのラジオ音源を何度も聴いて楽しみにしていたこの日、たっぷり堪能して、どっと疲れました(笑)。
こうやって大々的に宣伝されなくてもすでにスターのネトレプコですが、登場した瞬間に薄暗い演出、セットの中でも注目させる強い輝きがありました。オープニングの音源を聴いた時に、あれ、こんなに美しくきれいな声だっけ?なんて思ったのを覚えていますが、どちらかというと舞台上で感じる感情や気分で歌う人という印象で丁寧にきれいに歌う印象は皆無^^;。それなのに、ハイカロリーで濃厚で高級なクリームのようなリッチな声といつになく丁寧に音を扱う様子に圧倒されっぱなし。

彼女の声はどの音域も同じパワーと幅があるんですよね。高音になると青筋たててキ~~~となるわけでも、苦しげに細くなるわけでもないし、同様に低音だからといってよく聞こえないとか、切り替え時にカエルを踏んだような音がするわけでもなりません^^。昨年生で聴いた時は代役の代役で突然だったせいもあり適当感もあったけれどこの声のパワーだけは顕在で、私はこの声だけで震えがくるほど感動したことを思い出します。(慣れてきた後半は、それだけで感動しないのもまた私・・)

相当負担の多い役だと言われているだけあって、パワフルな彼女をもっても最後まで同じテンションで行くのは難しいのかなと思うような場面もあったし、予定されていた彼女自身のリサイタルをキャンセルするほどストレスフルだったようですが、それでも今劇場でこんな歌を聴いたら心身ともにおなかいっぱいになること間違いなし!だと思います。

そりゃ~早いパッセージになると途端に甘くなったりぎこちなくなったりもするし、苦手な音形になるとありゃりゃとなるので、何とももったいないなと思うし全体を通して繊細さと端正さが足りない。ベルカントの様式美を求めるオペラ好きのみなさんが、ネトレプコを評価しない一番の理由には多いにうなずくものがあります。
確かにパワー一本!では最初はその凄さに圧倒されるけど途中飽きてきたりもするし疲れることもあり^^;、とっぷり感動する、という風にもならないのですが、舞台上のスターパワーがなく教科書的にうまいから感動する、というわけでもないので、今の彼女にはそれを補って余りある魅力があるのもまた事実。
40歳になったネトレプコが今いろんな意味でとても充実しているときなのはその通りなので、時代の求めるスターをどう聞くかは聞き手によるのかな。

ま、世界中ネトレプコ、プコ、プコ・・と騒ぎすぎ~とは思います。いろんなことを言われるのもスターの宿命ですけどね。
いずれにしてもこれから数年の間に、是非絶好調のコンディションで聴きたいと思います。

そして、もともとの顔立ちがよいので角度や瞬間によっては、はっとするような美人顔をみせることもあるのですが、昔のようにすらりと美しかったことは忘れた方がいいような貫禄充分な姿には、ああ、あと20キロ細ければもっと説得力が増すのにな・・なんて正直思うこともあるし、なんせ彼女のための作品なんで、アップが多くて見えなくていいところまでよく見えますよ^^;。
なかなか品のある王妃像ではありますが、ドレスの裾をもって舞台奥に走る姿のドタドタ、ドスドス、背中がひろーーいというのは、らしいけど、ちょっとねぇと突然現実を思い出したりして(笑)。


日本に来てくれたグヴァノバのシーモアも良かったです(字幕ではセイモーと。これが瞬間人の名前に思えなくてねぇ)。気持ちがすごく伝わるのです。時々小林幸子のような表情になるのですが^^;、当初予定されていた美人のガランチャより史実に近い雰囲気を持っていて良かったんじゃないかな~と。だって、ガランチャだったら「全く男は若くて美人に次から次へと・・」と単に見かけで気持ちが映ってしまうすーい描かれ方になるけれど、グヴァノバはそうではない(失礼)。素朴で実直で控えめで田舎っぽい侍女。気位が高くて策略家のアンナにいらつくのをそっとなだめてくれるセイモーに惹かれたというのは非常に興味深い史実。彼女は体が弱く子供を産んですぐなくなりますが王が唯一愛した女性とも言われています。そんな雰囲気にぴったりだったのです。

ただHDの声と実際聴いた時の声は少し印象が違ったのでまたぜひ聴きたいな~っと。
男性陣もHDのアップに耐えられる人たちばかり。スラリと背が高くて衣装も見事に着こなしていました。

当時を出来るだけ再現したいとディテールに凝った衣装は素晴らしいんだけど、映画館でみてこそ楽しめますが、大きなオペラハウスだとそこまではもちろんみえないしわからない。その上セットの全体がモノトーンで暗いのでこたわりが伝わりにくいかなぁ。

いずれにても今シーズンのオープニング作品は、見応えはあるけど、とにもかくにもネトレプコがすべて。その強さ(スターパワーの)に他の人がついていけてない(吸い取られてしまう??^^;)感じが見えてしまうので、出演者がお互いに刺激しあって熱い舞台になったというのとは少し違うかな。もっともライブといえども、録音、録画ものをみているのでオペラハウスでの感想とは違うと思いますが。

こういう輝きは実力云々だけじゃ語れないですね、持って生まれたものにいろいろな要素が加わったもの。
見る価値あり!だと思いますが、とっぷり疲れますのでその覚悟で(笑)。


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■METライブビューイング「アンナ・ボレーナ」
2011.10.15 メトロポリタン歌劇場
指揮:マルコ・アルミリアート ★★★
アンナ・ボレーナ:アンナ・ネトレプコ ★★★★☆
ジョヴァンナ・セイモー:エカテリーナ・グバノヴァ ★★★★
エンリーコ(ヘンリー8世):イルダール・アブドラザコフ ★★★☆
リッカルド・ペルシ:スティーブン・コステロ ★★★★
スメトン:タマラ・マムフォード ★★★★
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