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動物だけでなくホンモノの火まで!!  

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なんというか、退屈した。
とても大きな劇場で上演しているはずなのに、小さな芝居小屋で芝居をみているような感覚で、そういう部分で楽しんだりしたし、歌手のみなさん一人ひとりがどうこうではないのに、なんか退屈だった。
思い起こしてみると、私が一番見ているオペラはこのドン・ジョヴァンニにかもしれません。
なにせ、モーツアルト自身が指揮をして世界初上映をした、というプラハのエステート劇場でも観てますから♪
(この上演自体は観光客向けという感じですが・・笑)

キャストの中で最初から最後まで高値安定だったのはレポレッロのピサローニ。この人はまさにオペラというより芝居をみているようで、台詞が歌になり、それがきちんとした歌唱になったという素晴らしさ。
そして日本公演で傷めたヘルニアの手術2週間後に舞台に戻ったドンジョヴァンニのグヴィエチェン(そういえば、私の少ない実演鑑賞でこのグヴィエチェンは複数回観ている何かと縁があります)、ドンナ・エルビーラのフリットリは抜群の安定感。細かいところはさておき、気持ちが伝わり芝居小屋の芝居+オペラがちゃんと完成していました。
ただ、いつも幕あきから端正でいい声を響かせている印象のグヴィエチェンが、うーん、なんというかいつも通りいい声だし魅力的なんだけど何かひとつ足りないような気もして、これもHD特有もマイクのせいかな(やっぱり生の声とは印象が違うし・・仕方ないけど)、なんて思ったり、もしかしたらカーテンコールの最後にでてくる人の持つスターオーラなのかな~と思ったりしました。

こういう雰囲気の中で、ひとりきちんとオペラ歌手だったのはオッターヴィオのヴァルガス、とても温和で優しい声をきれいに響かせていて、芝居小屋じゃなくてオペラハウスのオペラ(笑)。
カーテンコールで一番の拍手を浴びていたのがピサローニ、あとは上記3人にはものすごい歓声が上がっていました。

あとの女性二人はこれからの人たちですね。
気になったのはレベッカ。名前だけ知っていて聴いてみたいと思っていた人ですが、思っていた雰囲気とは全然違いました。声は上質なダイヤモンドのように硬くてまっすぐ、ゆらぎもなくてどこまでも突き刺すような強さがありました。音程も安定してるしではじめは聴きほれていたのですが、どの曲を歌っても全部同じなんですよね。ソロでもデュエットでもアンサンブルでも悲しくても憂いていても。それがだんだん耳につきはじめると変化がない分退屈してしまう。そして声質のせいか、周りを気にしないのかわかりませんがアンサンブルでは彼女の声ばかり響くのにはがっくり。モーツアルトの良さをぶち壊してしまいました。
これは劇場で聴くと違うのかもしれなくて、HDのマイクのせいかもしれないのですが(マイクに乗りやすい声ってあるんですよね~)、とりあえず観た限りではいかん!と思いました。
そういえばStremingで聴いた時はもう少し控えめだった気が・・。マイクめ。

騎士長は日本にもきたコーツアン。若い彼には無理だろう・・。
メイクも怖いし彼だけPAバリバリと使ってものすごく不自然。こんな役ばかりかわいそうに・・なんて同情してしまいます~~~。

指揮のルイージは、指揮だけでなくチェンバロまで弾く大車輪ぶり。弾いていた姿は映りませんが、譜面がチェンバロの上にありますから間違いないでしょう。そのせいか力が入り過ぎたんでしょうか?
軽やかさのかけらもないもーツアルトでしたけど、それはそれで・・^^;。

しかしMETというところは、ホンモノの動物は登場するわ、舞台上ホンモノの火は燃え上がるわ・・・
凄いところです。

この作品のオープニングは入院手術のグヴィエチェンに代わって世界のドンジョヴァンニ歌いとも言われているピーター・マッティが緊急登板したのですが、そのStreamingの時になんて素晴しい歌唱なのかしら・・と思いつつもやっぱりこの日と同様で何か出演者、オケ、スタッフ、観客のすべての熱が重なり合うような熱さのようなものがないな、、と思ったのですが、HDを観てみたら、芝居小屋の芝居みたいだから、個人の個性や素晴らしい歌唱だけでは盛り上がる公演は難しいのかもしれないな~というのが正直な感想です。

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■METライブビューイング
2011.10.29
指揮:ファビオ・ルイージ ★★★☆
ドン・ジョヴァンニ:マリウシュ・グヴィエチェン ★★★★☆
レポレッロ:ルカ・ピサローニ ★★★★★
ドンナ・アンナ:マリーナ・レベカ ★★☆
ドンナ・エルビーラ:バルバラ・フリットリ ★★★★☆
ドン・オッターヴィオ:ラモン・ヴァルガス ★★★★☆
ツエルリーナ:モイツア・エルドマン ★★☆
マゼット:ジョシュア・ブルーム ★★★
騎士長:ステファン・コーツアン ★★

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コメント

nanaさんのつぶやきを見て覚悟して行ったのだけど「なるほどね」って感じでした。
なんだかモーツァルト特有の明るさとか軽やかさが欠けていて、全体的に野暮ったい雰囲気で終わっちゃった気がします。
ファビ雄さんの弾き振り、序曲から「あれ?」だったけど、歌手無視で突っ走ってる印象。
クヴィエチェンも可もなく不可もなく…。
やっぱりマッテイで聴いてみたかったなぁー
でもピザローニという逸材を発見したので良しとします(笑)

さちえ #1olHiW.o | URL
2011/11/21 22:03 | edit

さちえさん

> nanaさんのつぶやきを見て覚悟して行ったのだけど「なるほどね」って感じでした。
あ~スミマセン!余計なこと呟いて・・<(_ _)>
私はなんだろう・・。1つは、METの大きくて広くて豪華でというスケール感をまるで感じられなかったこと(これに多いに期待する私^^)、本文にも書いた通り芝居小屋の芝居みたいでオペラの仰々しさがなかったこと(笑)、それと出演者同士の熱というかケミストリーというか、、そういうものをいま一つ感じなかったことが退屈な要因かな~と数日考えてました。私の印象では、たぶんマッティで聴いても同じだったんじゃないかな~と思う。
ルイージの指揮は確かに軽快さのかけらもなかったけど、もっさりとか突っ走ってるとは思わなかったなぁ。演出が芝居っぽいからこれはこれで合ってるのかもと思ったりもしたし。 実際にみたらどうだったんだろうねぇ。
・・という意見の相違があるのがまたオペラの楽しみ(笑)。

やっぱり実演に触れる機会が増えると、ライブ大好きな私としてはあの空気や直接耳に入る声とか都合良く見える自分の目とか(笑)、楽しみにしている数日のワクワク感とかも含めて、そういうものに代わるものはないな~と余計に思っちゃう^^;。機械音やアップ多様の映像は勘弁なんてね。とはいえ、そうそう見に行けないから困っちゃうんだけど。

nanamayu #- | URL
2011/11/22 09:17 | edit

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