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ベルリンフィルの祈り  

私にとってオーケストラといえば、子供のころからベルリンフィル。
家にあるCDやレコードのほとんどはベルリンフィルなのです。時々ウィーンフィルもあるけれど、私の中では黄金の輝きと華やかさのあるウイーンフィルといぶし銀の輝きと重厚なベルリンフィルというイメージ。
久しぶりに生で聴いて、金管や低音楽器の深さと安定感が他のオケとは大きく違うところだな~と思いました(というほど他のオケも聴かないんだけどw)。一人ひとりのテクニックが優れているのはもちろん、何より素晴らしいのはアンサンブルの力でしょう。

息をするのもはばかられるような静寂や沈黙、ほんの少し頭を動かすことも許されないような緊張感と同時にコントラバスから第一Voまでの弦のふか~い響きと、弓と腕が吹き飛びそうになるほど振り切るのに乱れない様子から鎮魂と祈り、穏やかな光を感じました。

サントリーホールは席によって残響が多く、エコーがかかったような音が聞こえることがあるけれど、今日の演奏はすべての楽器の生音がどんなに大きくても、息をひそめて聞くような小さな音まできちんと聴こえてきて驚いた。あんなに激しく振り切っていてもアンサンブルが乱れないのだから・・。

私はマーラーを語れるほどマーラーを聴かないので、どういう演奏が素晴らしいのかよくわからないけど、少なくとも途中で飽きたり眠くなったりはしない、ものすごく集中して聴いていたし、あっという間に終わった印象。素晴らしい演奏は苦手な音楽も克服させる力があるのですね。

ラトルは新年のMET以来。
あの時も素晴らしい音楽の作り方でとてもNYのMETオケが演奏しているとは思えない深い演奏に感動したのだけど、今日も背骨がしっかりしている指揮ぶりで、必要以上に大振りで軟体動物系の指揮者が増える中、骨格の崩れない姿勢と細かく指示を出すということはないけれど、それでいて的確な指示でオケをまとめあげる様子に大物感が漂っていたような気がします。お互いの信頼感がとても厚いのでしょう。
何を評価するのか、好きか、嫌いか・・音楽なんて個人の嗜好そのものなので、感じ方は人それぞれですが、ラトルの音楽の作り方が私はとても好きです。

コンマスとして凱旋の大進君は堂々としたもの。
テレビでさんざんみていた演奏スタイルだけど、ナマでみるとインナーマッスルがスゴイ強いのね、丹田でしっかり上半身を支えてるのがよくわかります。上半身をあれだけ動かして演奏するのに両足とも床から離れている!踏ん張らなくてあれだけ揺れてなおかつあの繊細な演奏ができることに驚きと感動を覚えました。

演奏が終わり、最後の音が消えたあとの沈黙。祈りの時。
ラトルの腕がゆっくりおりて、もう一度腕を上げるまでの緊張感。

すべての団員が去った後、ラトルが一人で登場し、残っていた観客に挨拶をしました。
最初は日本語で「みなさん、どうもありがとうございました。」と。
そしてこれ以上しゃべれないから英語で・・といいながら。
遠くてよく聞こえなかったけれど、最後は「私たちはいつでもあなたたちのそばにいますから」と言ってくれていたよう。

キンと冷えたベルリンの冬を思い出しながら家路につきました。
いい時間でした。
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■ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 来日公演
2011.11.24 サントリーホール
マーラー 交響曲第9番
指揮:サイモン・ラトル
2F LD4列



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