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Metropolitan Opera「Parsifal」  



熱狂的に追いかけたくなるほど好き!な歌手がいるわけでも、この作品が好きで好きでたまらない、とても思い入れがある、わけでもないのに、たった1泊でも見に行きたいと思わせたワグナー「パルシファル」。

2月16日土曜朝7時から初日の生放送をラジオで聴いて、初めて全幕聴くし、内容は読んでもよくわからんし長いワグナーだったけど、まさにいまプライム、絶頂期にいる男声3名の歌声にしびれまくって興奮してそのまま弾丸計画を立て始めてしまいました
公演予定をみて、あ、土曜日のマチネがあるじゃな~い!、しかもHDの日、これならキャストのキャンセルもよほどのことがない限りないはず(HDはアメリカをはじめとする世界各国の映画館で生中継をする公演、日本は字幕の関係で3週間ほどあとです)。土曜なら休みも1日くらいでいけるのでは?と検索をはじめ、あれこれあれこれ悩んだり、やっぱりダメか、無理かと一旦は完全に諦めたり、もろもろしつつ最終的に決済したのは、まずチケット22日、そしてエア、ホテル、最後にもう一回チケットで、28日の朝すべての準備が終わりました。

もともと買っていたチケットは1階のかなり後方で、その時あった残り少ないチケットの中では一番ましだったのですが、せっかく、わざわざこのために行くのに、こんな席でみるなんてとんでもない!と負けず嫌いな性格に火がついて連日チェックし続けた結果、最終的にはほぼ希望の席が見つかりました♪。もちろん運もよかったんですけどね。この間もっといい席もあったんですけど決断できなくてグダグダ、、。そんな自分にがっかりしたり、、でも諦めなきゃチケットは手に入る!

で、もともと持っていたチケットは寄付しようかと思っていたんですが、開場前にチケット求む!の紙をもった人が何人もいたため一番高値を言ってくれた人にお譲りしました(それでも定価以下です!みんなわがままで、席番みていらないわ~なんて言う人もいましたよ 笑)。
でもただ寄付するよりは私の懐にも戻る分助かりました。このチケット代で今回の旅の現地費用がすべてまかなえたし(笑)。


いや~、いろんな意味で見に行って良かった!
12時から始まって終焉したのが18時近く。約6時間の長丁場、ロングフライトのあとでしたが、ちゃんと最後まで寝ずにみたし(自慢w)、素晴らしい歌唱や初めて聞く歌唱、私の理解を超えたワグナーの世界にどっぷり浸れてものすごい充実感です。
作品についてあれこれ語るだけの知識はなく、あくまでリブレットを数回読んだ程度の理解なので、読み変えの演出に迷子になることも多々あったんですが、これは面白い!

歌手陣の歌の素晴らしさは改めて言うまでもなく、それぞれの役への入り込み方がもう素晴らしい、凄いとしか言えない。その中でも一番良かったのはマッティでした。
美しく響く低音だけど、何とも言えない色気があるんです。痛みや悲しみや苦しみの歌声が効いていて一緒に苦しくなるほど、そんな中時々聴こえてくる大人の色っぽさのある声にドキっとします。とろける~というのとは少し違うのだけど、女性はきっとこういう、いつもいつもセクシーさを強調されるとひいても、あまりそうではない人がみせる何気ない色気にどきっつするような、そんな感覚です。足をひきずり身体を支えるのがやっと(マッティは背が高いので舞台映えします)という状態を全身全霊で演じ一音一音脳に響く見事な歌唱、息遣いやため息や、、、ああ、本当に素晴らしかったです。


そしてガッティンの指揮。ワグナーは、パルシファルはかくあるべき、ということがまったくわからない私なので、単に私の好みだったということなんですが、ものすごくスローだったり揺らしたりしながらも彼のなかにある「こう演奏する、こういう作品である」が見えるようで、想いが伝わってきて酔いしれました。
ただでさえ長いのに、弱音をゆっくりされるとそのままどこか違う世界に連れて行かれそうになるのですが、指揮をしながら気持ちが入って唸ったり歌ったり 笑、おかげでそこではっと我に返る、そんな感じもありました。
ダライマンの温かく柔らかい、母性を感じる歌もとても素晴らしかった、性的にどうの、、というと創造力を駆使する必要がありましたが。。。、。苦笑

初日のラジオのほうがずっとよかったな~という印象ではありますが、パーぺの深く落ち着いた様子も素晴らしかったです。オケに負けることがありちょっと、ええ?、とは思ったものの、深くてしぶくて静の中に熱みたいな。

そしてそして、タイトルロール パルシファルのカウフマン。やっと聴けました。イケメンテノールとして世界中の人気者、正直私のタイプでは全くないし(それどころか写真によっては気持ち悪いとさえ思ってします、、スミマセン!)、一番重要な声も明るい抜けるようなテノール声ではなく詰まったようなくぐもったような暗いバリトンボイスなので歌声にも全然魅力も感じません。
でも、顔の好みはともかく、世界中のオペラハウスでこれだけひっぱりだこで大人気なのは、何か理由があるはずです。実際に聴いてみないことにはなんとも、、と思っていたところ、このパルシファルはこれまでのカウフマンの中でも一番いい!という評判もあり楽しみにしていました。
3秒でとろけた人もいますし・・(笑)。

実際に聴いてみるとラジオやテレビで聴いていた印象よりずっと柔らかくて優しげな響きで、思ってた以上に声のサイズが小さいんですが、会場を包み込むような独特の響きがありました。人がよさそうできっと真面目なんだろうと思うけど、そんな性格もみえるようで、このパルシファルは1幕ではほげ~、おらしらね~、わかんね~と知的レベルが低いんですが、ずっと頭良さそうに見えてました。が、動きがとても美しく、手を伸ばす、開く、顔をむけるそんな仕草の1つ1つが美しく色気があるんですね。計算してモデルのようにみせようというような美しさではなく、役を表現する中で醸し出す美しさ。ああ、こういうところが人気あるのね、と何かその理由がわかった気がしました。2度ほど上半身裸になる場面がありましたが、これは世界中のヨナスファンへのサービスでしょう(笑)。とはいっても私はその様子にとろけもせず、ファンにもなりませんでしたが(^^ゞ。

演出はまったく色のない荒廃した場所で、バックに映像を映すことで様々な表現をしていたようですが、私の席からは映像が少し見切れたため、このあたりはよくわからず。シンプルで派手な動きは少ないので、じっくり歌を堪能するには向いているのかな?でも「花の乙女たち」と言われる魔法の園で、日本人女性風の、まるで貞子のような集団が長髪を血の海にたらしたまま髪をふりみだしてパルシファルを誘う様子などは見ていて気持ち悪い。ああ、なるほどね、と深く読み取れるベテランさんにはいいかもしれないですが、初鑑賞の私には敷居が高いです、こういう読み替えは。

ま、いずれにしても聖杯がどうの、神がどうの、という話は深すぎてこのあたりをきちんと理解しないと本当に作品を楽しむことは出来ないなぁ。
今回は、初パルシファルだから、その世界観の入り口からチラ見した、みたいな感じだけど、その先がとてつもなく面白そう、だったことが最大の収穫かもしれません








■2013.3.2 Metropolitan Opera Parsifal
12:00~17:45

Conductor: Daniele Gatti 
Production: Francois Girard
Kundry: Katarina Dalayman 
Parsifal: Jonas Kaufmann
Amfortas: Peter Mattei 
Klingsor: Evgeny Nikitin 
Gurnemanz: René Pape 
Titurel: Rúni Brattaberg 
A voice: Maria Zifchak 

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