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楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」~東京・春・音楽祭  




春の嵐の予報通り、週末土曜日夜から未明にかけて関東地方は大荒れ。
長時間のオペラを万全な状態でみるべく、合宿を決め込んだおかげで、結果として自宅を出てから買えるまで傘を使うことなく過ごせた幸運。
 

演奏会形式のワグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」、演奏時間だけで4時間20分、休憩含めれば5時間半という、鈍足の私でも42キロ走れてしまうほど、東京から香港についてしまうほどの長時間の作品を、本当に心から楽しんでめいっぱい堪能した~、完走した~という満足感でいっぱいです。
有名な序曲を聴きながら、さあ、始まるぞ!と緊張し、3幕で再度同じ動機の音楽が聞こえてきた時には、ああゴール間近(40キロ地点!)とものすごく感慨深くなるんです^^。
終わってからも妙な興奮が残り不思議と疲れはなし。なんだろう、この充実感
 

予習するにも時間がかかるけれど、撮りだめアーカイブでみつけたバイロイト音楽祭(日本語字幕あり、初心者の予習には全く不向き)、sさんにいただいたメト(英語字幕あり、おすすめ!)、カラヤン指揮ドレスデン歌劇のCD(素晴らしい!大好きな盤になりました。が、ある程度理解してからじゃないと誰が何だかさっぱりです)、図書館で借りてきた対訳本(ドイツ語と日本語)、そして春祭サイトで連載していた解説(わかりやすい!これも素晴らしい!)、と、この1ヶ月ほどは時間があれば見て、聴いて、読んで、、一夜漬けの試験勉強のごとく聴きまくっていました。でも、これがまた、楽しいのですよ。仕事にも収入にもまったくプラスにならない勉強というのはなんて気楽で楽しいのかしら~笑。
この年になってこんなに夢中になって楽しめることがあるって幸せだわ~♡


今回選んだ席は、センターの最前列。
もともとは4列目で、A席と S席の境目なので少し安くてお得♪と思って買ったら、前3列をつぶすとわかり、びっくり。そ、、そうなんだ。
普段ならこういう席は選びませんが、爆睡防止、演奏会形式なら全体が見えなくても良い(笑)、手頃な値段で楽しめるのでたまには歌手をガンみしてみよう、、(^^)

以下、だらだら雑感。

*さすがに最前列からは歌手はよく見えてもオケは一部、コーラスにいたってはほぼ見えず、舞台背面にあった字幕スクリーンはソリストに隠れてほぼ見えず。
通常の字幕とは違い、いろいろと工夫はあったようですが、見えないのでコメント出来ず(-.-)。あ、でも舞台版で歌なしの場面転換やベックメッサーのパントマイムの部分は何かしらの説明があれば、もっとわかりやすかったのでは?とは思いました。

*当然のことながらバランスはまるでよろしくない。

*オケの音は響かず、上に軽く抜けてく感じ。ソリストががんがん歌うとオケ、コーラス消えました(^^;;

*この作品は、ドイツ語がわかればもっともっと何倍も楽しいはず。歌詞を作るには言葉の選び方、韻をふむ、ということがとても重要視されていて、それがほんの少し違うとまったく違う意味になる、それこそが3幕の肝になっているので、日本語訳ではまったく伝わらない。リブレット見て原語みて初めて発見する。なかなかそこにはたどり着かないけど、原語と日本語の両方絶対みるべし!と強く思うきっかけに。少々勉強してもそこには到達できないのが悲しいのだけど・・・。

*ワグナー好きは圧倒的に男性。理系で論理的で、男のプライド、権力をもつ、または憧れるような人に愛好家が多い(と私分析)。クラ系は一般的に男性ファンが多いけれど、今回もロビーはなんだか秋葉?これからハイキング?的カジュアルな男性が多く暑かったです

*ローエングリンは女性が白鳥の騎士にうっとりするけれど、マイスタージンガーは男心を刺激するらしく、男性の涙率高し。私の横にいた男性は3幕始まった途端に紺のハンカチを握りしめ、ボロボロと号泣。その様子に驚きながらついつられて一緒に泣いてしまった私。あれ、おっさんか?私。汗

*ソリストの譜面は個性があふれていて、真新しい譜面の人、赤や緑のカバーをつけている人、付箋が山ほどついている人、真っ黒になるほど読み込んでいる人等々。この作品へどのくらい関わっているかがそれでよくわかります。ソリストは持ってたけどほぼ暗譜してましたね、一人除いて

*メイン7名のソリストうち男性はほぼドイツ語ネイティブ。日本人やアメリカ人のドイツ語が音としてとても曖昧にきこえ、音が甘く緩く聞こえるのは子音が聞こえてくるかどうか。
言葉って大事なんだわ。



*ザックス:いや~雰囲気といい深い声といい素晴らしい。佇まいや表情もストーリーを語っていてとてもよかったのだけど、何しろ共演者無視の楽譜ガン見はいけません。他のキャストが一生懸命アイコンタクトしたり芝居をして歌いかけているのにまったく答える余裕なく無視でもったいない。楽譜から目を離してキャストに向かって歌いかける時がほんの数回あったけど、その時の声の輝きや場の雰囲気を変える力があるだけにホントに惜しかったです。

*ヴァルター:ローエングリンと同じくらい当たり役!と聞いて、本当に期待してチケットを買ったので、まさに、という感じ。誰とも違う個性的でレーザービームのような声にひたすら聞き惚れました。人間臭く嫉妬でドロドロみたいな役は似合わないのでやらなくていいです(^^;;。こういう人間らしからぬ、神の声、天の声、そういう役にはぴったりなのですね。
3幕2場で初めて歌った夢解きの歌、「Morgenlich~」の声が聴こえた瞬間、きたーー(≧∇≦)!と(笑)。この歌いだしのほんの一瞬、ほわっと柔かく甘い天の声に腰抜けそうになりましたよ 笑。しかしこの声はこの日この一カ所のみ。強く柔らかいはあれどこの温かみのある歌い方はなし。100%絶好調ではなかったとようで、なんども喉を整える様子がみえたし、一瞬声がつまりそうになったり荒れそうになる瞬間はあったのだけど最小限に押さえて乗り切りました。
最後の「朝はバラ色に輝いて」前のあの緊張感。会場中がその時を固唾をのんで待っている様子、表情をかえず笑みをも浮かべていたけれど喉と整える様子やいくぞと構えるように、間近で一緒に緊張。顔を真っ赤にしながら素晴らしく歌いきって大喝采。
いや~、素晴らしい。予習で聴いた誰より良かったです♪(このあとハンブルグで同役を歌うそう)

*ベックメッサー:彼もまた素晴らしい。リブレットの想定より若くてスマートなので、この作品の陰のテーマ(年を取ったら若い子に手を出すなw)とはギャップあり。でも表情、態度含め楽譜まで小道具として総動員して
演じ歌っていた様子には爆笑させてもらいました。うまいんだよな~。少し鼻声で声もあれ気味、弱音は危うかったけれど元の声がとても素敵で表情豊かなので、全く問題なし。楽しませてもらいました。

*ポークナー:ローエングリンの時は国王でした。彼も実年齢は若いはずだけど威厳のある役が多いですね。朗々とした声で素敵ですが、少し響きが暗いかな?夜警の歌の方がずっと素敵に思いました。

*ダフィト:ずっとにやりとしていながらいい声を響かせていました。おなかまわりがすばらしく立派で、高音をだすたびにおなかまりがすごい振動で(笑)、ああ、歌って全身使うのだわ、なんて思ってしまいました(^^ゞ。フォークトと同じテノールとはいえ、まったく別の声、彼の柔らかい声がまたお互いを引き立てていたように感じました。タキシードのズボンのシワが一番多かったです(笑)。

*エヴァ:急遽代役を引き受けてくれた彼女は金髪の美人さん。すこし大人っぽい雰囲気だったけど、佇まいといい歌い方といい、素晴らしい演技力で、独断で女優賞を差し上げたい。表情も細やか、幸せそうに見つめあったりにっこり笑ったり落ち込んだりイライラしたり、、、代役とはいえ、ほぼ暗譜で完全に歌が入っていましたね。声は少し固く序盤は苦戦していた様子もあったのでもしかしたら上の方の席まで届かなかったかも、、とも思いました。私の席には十分でしたけどね。

*マグタレーネ:彼女が一番弱かったかも。ちょっとフリットリに雰囲気が似ていたな。あったかい感じはあるけれど、特徴がなくて、、、、(出番も少ないけど)

昨年から、ワグナーの実演3本目。
ローエングリン、パルシファル、マイスタージンガー・・。どれも5時間超えのロングですけど、本当に楽しみました。奥が深いのでもっともっと聴きたいし知りたい。

ドイツ万歳!のエンディングはともかく(^^ゞ、楽しく笑えるワグナーは珍しいので、できればトラディショナルな演出でこのキャストで舞台を見たいものです。


■R・ワーグナー 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
~東京・春・音楽祭 東京文化会館

出演
指揮:セバスティアン・ヴァイグレ
ハンス・ザックス:アラン・ヘルド
ポークナー:ギュンター・グロイスベック
ベックメッサー:アドリアン・エレート
ヴァルター:クラウス・フロリアン・フォークト
ダフィト:ヨルグ・シュナイダー
エファ:アンナ・ガブラー
マグダレーネ:ステラ・グリゴリアン
夜警:ギュンター・グロイスベック
フォーゲルゲザング:木下紀章
ナハティガル:山下浩司
コートナー:甲斐栄次郎
ツォルン:大槻孝志
アイスリンガー:土崎 譲
モーザー:片寄純也
オルテル:大井哲也
シュヴァルツ:畠山 茂
フォルツ:狩野賢一

管弦楽:NHK交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ
合唱指揮:トーマス・ラング、宮松重紀
音楽コーチ:イェンドリック・シュプリンガー

1階4列センターサイド
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