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マスタークラス:ヴィットリオ・グリゴーロ 声楽公開レッスン  


*ぴあクラシックさんより

今一番ナマでオペラ全幕を聴いてみたいオペラ歌手、グリゴーロのマスタークラスに行ってきました。
只今来日中で、2回のリサイタルが予定されていますが(4月5日、10日 オペラシティ)、個人的にはリサイタルではフレームアウトしそうな迫力があるのと、どう考えても全幕向きなので、全幕観るまではリサイタルにはいかない(笑)
(それにチケット代が高い、、高すぎる、、、)
そんな時、昭和音楽大でマスタークラスが開かれるという情報を聞いたので、これは面白そうだ!とイソイソと出かけたわけです。

・・・が、遠い。開演時間に10分ほど遅れて到着したら、最初の生徒さんがなぜかタンクトップ姿で指導を、、(笑)。
全員ネクタイしめてスーツ着用でしたが、そんなの歌いづらいでしょ?ということだったらしい。
さらに、6時すぎから、ピアノ演奏したり、自分の想いを語り始めたり、鼻歌歌ったりのサービスもあった様子。うらやましい、、、。

マスタークラスをナマで聞くのは初めてですが、結構好きで、ストリーミングなどで観られるものは何人か観ています。細かなテクニックやらアドバイスというより、指導する歌手が、何を大切に考え、何をどう伝えようとするのか、というところに興味があるのです。
生徒はどの国の、どの先生の場合でも、声楽を目指している人なので、学生からセミプロ(一部プロも?)まで基本の指導は受けている人たちばかりです。


今回は休憩なしのたっぷり3時間。もの凄い熱量で熱血指導でした。顔をさわり腕をつかい、掴み、自分の腹筋あたりをバシバシ叩かせそれでもビクともしない強靭な声を響かせて\( °д° )/ 、声の響かせ方、支え方を体で教える体育会系。
一番疲れたのは先生でしょう。
でも自分の好きな声楽について、自分が教えることができるなら、、と本気で必死で伝えようとする様子に若い人への熱い想いやオペラへの深い愛情を感じましたよ。
・・・あとで調べたら先生より年上の生徒さんもいましたが(^_^;)

熱血なのは、何とかわかってほしいという想いから、本当に目の前で、身体を使い、うまく伝わっていないと思うと違う方法を模索し、さらには緊張させすぎないようリラックスさせたり、あの手この手でチャレンジです。
どうしても我慢できなくなると、自分で歌ってみせちゃう(笑)。
その時も自分の身体を触らせ、叩かせ、こうだよ、こうするんだよ、と伝えようとしています。
生徒さんにはテノールだけでなく、ソプラノの女性、バスバリトンの男性もいましたが、そのすべての曲を一緒に歌い見本を聞かせていましたが、ルチアの狂乱の場ですら、ファルセットで美しく歌ってしまうツワモノ。。素晴らしいです。

十分大人の君には、ロミオのような少年の歌をレパートリーにするのではなく、ラダメス(アイーダ)やカヴァラドッシ(トスカ)のようなものがいいよ、とか、別の生徒さんには、君の歌手生命はそんなに長くなさそうだから(発声の仕方から)、きちんと声の出し方から勉強したほうが、、とピシャリ。形としては完成系に近く舞台にも立てるだろうけど、、、と@@。
厳しいです。
グリゴーロは38歳とまだ若いですが、世界のオペラハウスで歌い、猛スピードで知名度が広がっています。厳しいですが、趣味で歌っているならともかくプロとして歌うならきちんとこういうことも言わないといけないのだと思います、指導者が。
しかも言われたのが二人とも歌劇団正団員、、、(・_・;)

唯一見込みあり、と思った様子だったのがソプラノの女性.
彼女も同様にかなり厳しく母音について言われていましたが、それでも吸収がはやく言われたことがすぐに体現できる感の良さ、耳の良さ、センスの持ち主のように見えました。どんどん音色が変わり、最高音もかなり綺麗に響かせて、先生も満足そう。

僕のレパートリーだからね、あはははっ♪と椿姫のアルフレードの冒頭曲「燃える心を」をフルヴォイスで、ロミオとジュリエットの中から「ああ太陽よ昇れ」をハーフヴォイスながら場面説明つき、マイムつきで、さらにはもう一回途中からフルヴォイスで、、先生として歌っていましたw。じーん。
その声は、1300席程度のホールが壊れるんじゃないかと思うほどのボリューム、だけど当然大声選手権のような声ではないので、ホールを包み空気を包み身体にビシビシ響いてくる感じです。
うわ、凄いやっ。

実際の歌を聴いたところ、パヴァロッティの声とはだいぶ違うと思いますが、イタリアンテノールの王道ですね。イタリアオペラを歌えるテノールが希少な今本当に貴重な声の持ち主だと思いました。
今は溢れる感情を押さえられず、少々フレームアウトするほどの元気と濃厚さがプラスでもありマイナスに働くこともありそうですが、それもまた魅力のひとつ。全幕を聞くのが楽しみでたまりません。
もう思いっきりモゾモゾしたいわ。

日本人は感情表現が下手だと良く言われますが、オペラ歌手を目指すならそんなところで照れてる場合じゃありません。まあグリゴーロの場合は少々オーバーすぎるところもありますが、日本人ならあのくらいやっても足りないくらいかも。


先生の指導メモ:
☆(全員に共通し、レッスンを通しいい続けていたこと)
*母音Oの発音、発声について:
日本人とイタリア人の骨格の違いにまで行きついてしまいそうだけど、、全ての人にO、O、と言い続け、顎を押さえ、頬を押さえ、口の中の形、開き方をしつこいくらいに言い続ける。先生にはどれほど生徒さんがOといってもOには聴こえなかった様子。

*ブレスの仕方、使い方
ブレスの種類は1つだけではない。ブレスにも感情がいる。ゆったりと歌い始めたいならゆったりとブレスを、高い音を出す前なら出したい音と同じ音でブレスを、怒りを込めたいなら怒りの強さやスピードをつけるブレスが必要。
譜面に指示がなくても、自分でこう表現したい!というのがあれば、あえてブレスを取るのも効果的。鼻からゆっくり、そして出来るだけ長く続かせる。たっぷり、たくさん息を吸うのとは違う。

*歌を歌うのではなく、場面、情景、何をどう伝えているのか。語るつもりで。
さあ、歌うぞ!やっときた自分のアリアだ!と歌っちゃだめ。オペラはそのアリアに全ての感情や場面が含まれているので、それを表現しなければ。時には語り、時には演じ、その場面を歌で表現しなければ。
君は今までに何回恋をしたの?そんな質問まで。

*音と音との幅、音域によって変えない、レガート、レガート
カクカクしない、高い音から低い音への移行でいちいち落とさない、同じ線上に音が流れている状態を保つ。頭からお腹まで一本の線が通っていると思って。

*声の響かせ方
ノドを使うのではない、頭、おでこ、腹筋あたりが一本の線でつながっていると思って。
今どこに響いてるの?わかる?

*身体の使い方
高い音を出そうとする、大きな声を出そうとするときに身体を固くしない、いくぞと緊張しない、自然の流れで歌うこと。
バレエダンサーのように自分の身体のどこがどう響くのか、どう使うとどうなるのかを知ることが大切。
またどれほど押されても後ろに下がるのではなく、その場に保っていられる支えが必要。

欲を言えば、今回通訳がついていて、ある程度訳してくれてましたが、先生にもマイクを!
というかマイクの用意はあるにはありましたが、グリゴーロがあちこち動き回るし、いちいちハンドマイクをもつのが面倒なのか?もたないのです。なので、声がよく聞こえない(泣)
もちろんマイクがあってもイタリア語で細々指導している内容は私にはわかりませんが、彼は時折英語で話しているではないか!!
通訳さんがマイクで同時通訳してくれるのはありがたいけど、よく聞こえないのが残念。インカムつけさせてください。

堪能しました。
東京での熱狂ぶり:Il tenore Vittorio Grigolo conquista i giapponesi - Stream24


☆受講者と曲目
■工藤翔陽(テノール/昭和音楽大学大学院修士課程2年):フェデリーコの嘆き(アルルの女)
■小野寺光(バス・バリトン/昭和音楽大学大学院修士課程2年) :外套の歌(ボエーム) /
■尾形志織(ソプラノ/藤原歌劇団準団員) :あの人の優しい声が~香炉が.. (ルチア)
■井出司(テノール/藤原歌劇団団員):燃える心を(椿姫) /
■山内政幸(テノール/藤原歌劇団団員):ああ太陽よ昇れ(ロメオとジュリエット)

■「ヴィットリオ・グリゴーロ 声楽公開レッスン」
2015年4月7日(火)  18:30開講
会場:昭和音楽大学 テアトロ・ジーリオ・ショウワ
講師:ヴィットリオ・グリゴーロ
ピアノ:ヴィンチェンツォ・スカレーラ
通訳:田口道子
主催:公益財団法人日本オペラ振興会
    昭和音楽大学
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category: オペラ

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